「講談社絵本新人賞」から生まれた新人のみずみずしいファンタジー ほら、あなたのそばにもこんな猫がいるかもしれない 「まいにちいっしょにいたのに、あたし、三郎のこと、なにも知らなかった。」とつぜんいなくなった猫の三郎をさがして、麻美は《いちょうやしき》へ。そこで見たのは、麻美のまったく知らない、三郎のほんとうの世界でした。だれかをたいせつに思うことの切なさ……。ほわっとあたたかくて、じんと胸が痛くなる絵本。
少し取っつきにくい絵本かもしれませんが、じっくり染みこんでくる絵本です。
さがしあるいて見つけた飼い猫の三郎。
しかし、そこに見たのは自分の知らない三郎猫でした。
絵を描くことが好きで、自分の主張があって麻美ちゃんに都合の良いペット猫ではなかった。
三郎猫には自分の生活があったのです。
気分の手のひらの中で、勝手に転がしていた空想の君。
本当の君を知ったとき、君を認めることができるのだろうか?
絵の色彩と組み込まれた版画の線が、この物語を非常に効果的に読み手に伝えてくれます。
この絵本は読み聞かせ向きではないかも知れません。
対象も思春期の子どもたち?
私は親と子どもの関係として読みとりました。
さりげなく年頃の子どもの側に置きたいような絵本です。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子12歳)
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