あしたは楽しいクリスマス。 でも、ぼくは心配でねむれない。 だって、サンタさんは「いいこ」にしか来ないんだもん。 ぼくは……
ちょっぴり不安な夜を過ごすぼくのところにやってきたのは、「よるくま」。 夜みたいに黒くて、胸にはお月さまがひかっている、ぼくの可愛いともだち。 だけど、よるくまはサンタさんを知らないって言うのです。
「おかしいな、クマの子にはサンタさん、こないのかな」
そこで、ぼくはよるくまにサンタさんのかわりになることを思いつきます。 クリスマスツリーの飾りの中から、彼が選んだのは、おうちと、ちいさなイエスさま。 それからひこうきも。よるくまに手渡したその瞬間、あたりが真っ暗になり。
よるくまとぼくが一緒に過ごす、ふしぎで素敵な夜の時間。 そこにはあるのは優しさと、甘さと、あたたかさと…… あ、ぼくがもどりたい場所は!
酒井駒子さんが描く、愛らしく繊細なぼくとよるくまの交流。クリスマスの飾りや夜の風景の美しさ。それらも相まって、読み終われば、とっても幸せな気持ちになって、安心して眠りにつけるのです。クリスマスの夜、親子で一緒に読んでくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ねぇママ、夜になるとかわいいともだちがやってくるんだ。夜みたいにくろい、くまの子――。ともだちへの思いやりと、おかあさんを慕う気持ちをあたたかく描いた愛らしい絵本。2000年10月刊。
クリスマスシーズンになると、
子どもたちに読んで聞かせる絵本のうちの一冊。
でも、子どもたちのために、というよりは
わたしの、普段の母業の、反省の気持ちを込めて
自分のために、
自分の気持ちを、リセットするために、
この本を読むのかもしれません。
「ぼく」は、クリスマスイブの夜
自分のところにはサンタさんが来ないかもしれないと
心配しています。
たくさん叱られて、自分は悪い子だからって。
そして、
お母さんに抱っこされるよるくまをみて、
よるくまは まだちいさいから
たくさん抱っこしてもらえていいなって
言うのです。
私の子どもたちも
こんな風に思っているだろうか。
イライラをつのらせて、声を限りに怒鳴ってしまったり
ひどい言葉をかけてしまったり。
傷ついたかな…。
4人兄弟で
それぞれ、いつも、十分には甘えられなくて
もっと抱っこしてもらいたいなって
さみしく思っているだろうか。
みんな、いい子だよ。
お母さんはみんなのこと、大切に思っているよ。
たくさん甘えさせてあげられなくて、ごめんね。
そう、かみしめながら、読んでいます。 (よにんこママさん 30代・ママ 男の子8歳、男の子6歳、女の子4歳、女の子1歳)
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