遠くへ旅立ってしまった大切な人は、命の船に乗って、雲の上に行き、楽しく過ごしながら、あなたのことを見守っています。そして、どんどん元気になって、どんどん若くなって、赤ちゃんになって、雲の上からまた旅だっていくのです。「死」と「再生」を描く、感動の絵本です。
命はめぐり、つながっていく――
かなしみの色は、どんな色? それは、夜明けまえの深いブルー。でも、やがて虹色に変わり、新しいいのちを生みだすのです。――<柳田邦男氏推薦!!>
最初に『いのちのふね』の絵を描いたのは、もう20年もまえのことです。それからずっと心の中にあり、夜明けまえの空や、青空の中、夕方の空、夜の闇の空に浮かぶ姿が見えました。どこから来て、どこに行くのか……ずっと、わかりませんでした。 いつか人は死に、残された周りの人は、その人の死を心の中で反芻し、生きていきます。 なぜ空を飛ぶ鳥や、鳥の巣を見るのが好きなのか、なぜ空に浮かぶ雲を見るのが好きなのか。きっと、この本が描きたかったからです。――<鈴木まもる>
誰にでも訪れる死。
世界中で、人間も動物も…。
そして悲しみの向こうに「いのちのふね」があるという発想はとても救いです。
死んだものを包み込み、死んだものを解放する「いのちのふね」。
死んだものがまた新しい生命として戻ってくる、輪廻観のお話ですが、とても心泡われる話です。
悲しみの向こうには解放があるのだと考えると、どれだけ人は救われることでしょう。
雲の中でゆったりと椅子に座って本を読んでいるおじいちゃん。
ブランコに揺られているおばあちゃん。
二人の笑顔がとても素敵でした。
死んだものたちが、みんなで共存している世界も素晴らしいと思います。
今年、3月11日、とても悲しいことがあって、多くの人たちが「いのちのふね」に乗りました。
せめて亡くなられた方々が平安でありますように。
20年前に書かれたお話とのことですが、現在において、とても意味深い作品です。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子14歳)
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