
1965年に出版された絵本の復刊です。 堀内誠一さんの絵のファン!という方はぜひご覧下さい。こんな絵本があったんだなあと嬉しく思う本じゃないかしらと思います。色彩にあふれたジャングルや、弾むような線の動物たち。あきっぽいさるくんも、けがをしてしまうへびくんも、風邪をひいたくじらくんも可愛いこと可愛いこと。
お話は、「あかいかさ」がジャングルのなかに落ちていて、さるくんが拾うところからはじまります。でも木の上にいるさるくんたちには邪魔でしょうがない。せっかく拾ったのに放り出してしまいます。拾ったへびくんは気に入ってかさをさして歩きますが、しっぽで歩きすぎたために骨が折れて戻りません。へびくんからかさをもらったライオン病院のカンガルーの看護婦さん、くじらくんの往診で海にいったとき、かさから手をはなしてしまって・・・。 さて最後は「かさ」でない使い方をされる「あかいかさ」。どんな動物が手に入れたと思いますか。
作者の筒井敬介さんは1918年生まれ。勿論すでに亡くなられていますが、言葉に古さを感じないと同時に、芝居っ気があるというのでしょうか、語り口調に勢いがあって、場面展開のスピード感が新鮮です。50年近く前の作品がこんなふうに読めるのですから、絵本ってやっぱりすごいですよね。
かさが落ちていたジャングルから海までの地図が裏表紙に描かれているのもお楽しみ。何十年も前の日本で、国際色豊かにのびのびとカラフルなイラストを描いた堀内誠一さんの絵をあらためて楽しんでくださいね。

ジャングルのなかに、あかいかさが おちていた。さるくん、へびさん、かんがるーさんと、つぎからつぎに動物の手から手にわたって…。動物たちとあかいかさの旅を、ユーモアたっぷりに描きます。とくに絵本から幼年童話へ移行する時期、自分で文字を読みはじめた子どもにぴったりです。

1965年の作品の復刊です。
ジャングルの中に落ちていた赤い傘を巡る騒動記です。
なるほど、傘の使い方を知らなかったら、確かにこんな発想をするでしょうね。
もちろん、一番のエピソードはへびくん。
体が濡れないよう、傘に巻き付いて歩いていたら、しっぽの骨が折れてしまったんですって。
え?ヘビに骨があったっけ?と思って調べたら、ちゃんとあるんですよ。
このあたりは科学的でちょっと安心しました。
中くらいに偉いライオン先生、カンガルーの看護婦さんと、
ユニークなキャラクターも面白いです。
クジラの往診の様子もユニークですね。
そんな中、淡々と佇む赤い傘。
その存在感がいいですね。
やや古風ですが、丁寧なストーリーがいいと思います。 (レイラさん 40代・ママ 男の子20歳、男の子18歳)
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