源氏の武将、熊谷直実は、須磨の戦い前夜、平家の陣屋から流れる笛の音に心を動かされた。それこそ、平敦盛の吹く名笛の音だった。『平家物語』の有名な悲劇。
源氏の熊谷直実は、戦い前夜、平氏の陣から ながれる 美しく 静かな 笛の音に 心をうごかされた・・・・・・ ・・・・・・『平家物語』のみやびな若武者の悲しい物語・・・・・・
源氏の熊谷次郎直実は、平氏との戦いで初陣をむかえた 元服したばかりの息子とともに、手がらをたてようと勇んでいた。 明日は決戦という夜、平氏の陣から 美しい笛の音が きこえてくるのに 直実は信じられない 思いをする。 そして、運命の日、直実は・・・・・・
○巻末解説より わが国最高の叙事的歴史物語である『平家物語』には数多くの感動的な描かれています。しかし、そのなかで、もっともせつなく美しいエピソードは、なんといっても巻九に出てくる「敦盛の最期」でしょう。 この日本の物語絵本「青葉の笛」は『平家物語』や神戸市の須磨に残る伝説などをもとにしてまとめられたものです。笛の名手であった敦盛が持っていた「小枝」は青葉の笛(雅楽の横笛の名器)と呼ばれ、弘法大師が中国の長安の都で入手し、朝廷へ献上したものといわれていて、敦盛の首塚や首洗い池のある須磨寺におさめられています。
わが子と同じ年頃の若武者の首を切り落とす。
そんな不条理で残酷なお話ですが、平家物語の一ノ谷の合戦の逸話として切なさとやるせなさが、描かれていて、美しくも感じました。
戦の前に、若冠十六歳の若武者平敦盛の奏でた笛の音に心打たれた熊谷次郎直実でしたが、その若武者を切らねばならなくなった時、正に諸行無常の境地に立たされます。
逃がしてくれようとする情けに、武将の意地とて自分の首を差し出す敦盛のいさぎよさ。
言い様のない虚しさに胸がいっぱいになりました。
「戦いとは何か。人を殺すことが手柄なのか。…。武士とはいったいなんなのか。」
直実の自問自答のシーンがとても気高く感じました。 (ヒラP21さん 50代・その他の方 )
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