雛壇に可憐に並んだ雛人形たちが、とても華やかな表紙のこの絵本。 みんなおすましして可愛らしいですよね。 でも実は「自分たちの住む家は自分たちで探す!」なんて言って冒険に出ちゃう、斬新でアクティブなお話なんです。
真夜中の雛人形のお店から、おひなさまたちの声が聞こえてきます。 「私たちだけ残っちゃったわ」「こうしちゃいられないよ」 売れ残ってしまったおひなさまたちは、なんと住む家を自分たちで探すために、外へ出発するのです。 ところが、すでにこけしがいたり、五月人形がいたり。なかなかいい家を見つけることができません。 その時、川の方から何か流れてきます。 それは、紙のおひなさまを川へ流して、子どもたちが病気をしないようにと祈る「ながしびな」たちでした。 そこで、おひなさまたちも一緒に藁の舟に乗って川下り!降りた先でやっと見つけたのは、ぼろぼろの古い家。 さあ、どうするおひなさま?
自分たちの住む家を自分で探して、きれいにして、おふろにも入って(!?)、楽しい宴の用意もして。なんだかとっても楽しそう!こんな前向きなおひなさま、読んだ後に元気になってきちゃいますよね。女の子のお祝いだからって、大人しくしなきゃいけないわけじゃない…っていう雰囲気に喜ぶ女の子もいるのでは? 本物の着物の生地も使っているコラージュの絵はとっても美しくてチャーミングですよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
真夜中の雛人形のお店で、おひなさまの声がします。 「わたしたちだけになっちゃったわ」 「こうしちゃいられないよ」 売れ残ってしまったおひなさまたちは、住む家を探しに出ました。でも、こけしがいたり、五月人形が住んでいたり……。なかなか空いている家は見つかりません。そこに流し雛がやってきて、いっしょに川下り。そして、見つけたのは、ぼろぼろの古家。さあ、おひなさまたちはどうするのでしょう……。自分たちの住む家は自分たちで探す。元気なおひなさまたちのおはなしです。対象年齢3歳から6歳。
売れ残ってしまったお雛様たちが、自ら定住の地を求めて、出発するお話です。
人が全く出てこないので、伝統的な雛祭りからは、少し離れてるかな?とも思いますが、何より、お雛様たちが楽しそうで、読んでいてもなんだかウキウキしてくるカンジでした。
自分たちで道を切り開いていく様子は、元気をもらえます。
最後は、お料理や雛壇も出てくるので、雛祭りの雰囲気も充分楽しめます。
フェルトやちりめんで作られた絵が、すごく素敵な作品です! (しゅうくりぃむさん 40代・ママ 女の子6歳)
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