南極大陸への船旅。大人にとっても大冒険です。それを9歳の女の子の目から見たら・・? ソフィー・スコットのパパは<オーロラ・オーストラリス号>の船長さん。オーストラリアから南極のモーソン基地まで、人や荷物を運びます。ソフィーは、パパに南極まで連れていってもらえることになったのです。 「やったあああ!南極大陸にいけるんだ!」と、胸躍らせるソフィー。出発してから帰国するまでの30日間、毎日がびっくりの連続です。船の中や南極基地にも興味津々。波で船が揺れるとベッドでヨーヨーのように前後に動いてしまうこと、体に雪がつもっているペンギンを見たこと。そして研究スタッフから教えてもらったたくさんの南極の話。ソフィーは、出来事や感じたことを毎日丁寧に絵日記のように綴ります。 作者のアリソン・レスターさんは、2012年、オーストラリアの初代<子供のためのローリエット(桂冠作家)>に選ばれ、子どものための活動を精力的に行っている作家です。オーストラリア南極遠征隊の研究員としてオーロラ・オーストラリス号で南極へ行き、その体験をソフィーという分身の少女を通してこの絵本に描いています。 ソフィーの言葉を通して、一緒に知り一緒に驚きながら、旅の経過を追っていくと、いつのまにかソフィーと共に南極で過ごしているような感覚になるほど! レスターさんは旅の間に、自身の体験を世界各地の学校や家庭の子どもたちに毎日eメールで伝えました。この絵本に載っている絵の多くは、彼女の体験を聞いて子どもたちが描いたものなんだそう。子どもたちの手による、のびのびと描かれたペンギンやアザラシなどの生き物たちも、みどころのひとつです。子どもたちの絵と、レスターさんのテキストとイラスト、写真がちりばめられ、旅行記のようにじっくり楽しめる読み応えのある内容でありながら、洗練されたとても美しい絵本です。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
9歳のソフィー・スコットは、船長さんのパパといっしょに南極にいくことになりました。氷山にびっくりしたり、ペンギンやアザラシやシャチとであったり、友だちができたり、オーロラに目をみはったり、猛吹雪にあってパパの船にもどれなくなったり……わくわく、どきどきする毎日です! この本の作者、アリソン・レスターはオーストラリアの初代〈子どものためのローリエット(桂冠作家)〉に選ばれ、遠征隊の研究員として南極にいきました。この作品では、レスターの分身ともいえるソフィー・スコットが、好奇心いっぱいのまなざしで、驚きにみちた南極をながめ、日記に記します。レスターは、豆知識ももりこみながら、親しみやすく、美しい、南極物語を書きあげました。
シャクルトンの南極探検の話をまとめ読みした後なので、とてもホッとできる絵本でした。
あの頃の大冒険からすると、安心して行ける場所になったのですね。
著者の体験を基に、少女を主人公にした南極旅行ですが、南極の自然や、航海中の記録が生き生きと描かれています。
独特な視点で写された記録写真も良いですが、お話を基に子どもたちが描いた絵が一緒になっているところも夢があって素晴らしいと思いました。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
|