「ものすごくヘンテコでじゃまっけなぼうしをかぶって、おかしな顔をしたら、ぼくのきぶんは、もうノリノリさ。」 「ぼくはときどきとってもかなしくなる。どうしてかはぜんぜんわからないけど。あそんだりおもしろいことをするかわりに、ぼくは、泣いて泣いて泣くんだ。」
毎日、毎時間、人は様々な感情に揺れ動きながら生きています。 その時々に心を満たす感情がいったい何なのか、どうすればいいのか、大人でも判断に困ることがありますよね。ましてや子どもにとっては、ますますつかみどころのないものでしょう。 食べ物やおもちゃ、その他周りにあるもの全てに名前を必要とするのと同じように、それと向き合うためには、感情にも名前が必要です。 作者のジャナン・ケインさんは、「基本的な感情の名前を、平易で楽しいやり方で子どもたちが学ぶことを手助けするような本」としてこの本を作りました。 怒りのページは目と眉をつりあげた子どもの絵。ページ全体が赤く、「いかり」の文字も書きなぐったようにささくれ立っています。悲しみのページでは背景の木も「かなしい」の文字も、涙を流しているみたい。色彩・描かれた表情、文字など、ページ全体が、特定の感情と結びつけやすいように描かれています。 ジャナンさんは、この絵本を通して、子どもたちが、言語を用いて感情を理解したり表現したりする力をつけることを願い、また、一緒に読んだ人と、その感情について話し合うことを提案してくれています。
最後に書かれた、ジャナンさんから保護者の方への言葉を、抜粋してご紹介します。 ・どんなときに、幸福や悲しみやねたみなどを感じるのか、子どもたちにたずねてください。 ・感情の扱いかたを話しあってください。 ・好ましくない気持ちのありかたを変えるために、どんな手段があるのかについて、いっしょに話しあってください。 ・きもちに気づくことや、きもちを名づけることを習慣にしてください。たとえば、ねたみと怒り、喜びと興奮。そんな、似たものに見える感情にも違いがあることを話しあってください。
一生かけて付き合っていかなくてはいけない、感情というやっかいなシロモノ。小さな頃からのこんな積み重ねがあれば、少しは付き合いやすいヤツになるかもしれませんね。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
感情の種類を知って自分を客観視できるための本。
なんでも「ムカつく!」の一言で片付けて主観的な感情に埋もれてしまうのではなく、自分を客観的に見つめるために感情に名前をつけてあげましょう。「私は今、怒りを感じている」とか「今、幸せを感じているんだ」とか。子どもたちが、一歩外から自分を見つめるための絵本。特別支援教育にもどうぞ。
ノリノリ、こわい、がっかり・・・かんしゃ、たいくつ・・・やきもちまで!
この他にも、沢山の“きもち”が1ページごとに分かりやすい表現で描かれています。
色々な“気持ち”をテーマにした絵本はおそらく珍しいと思います。
気持ちって、なんだろう?
「きもちって、やって来ては去ってしまうのね」
「きもちって、よくわかんないな」
「でも、それはみんな、わたしのきもち!」
最後の文章に、思わず そうそう!と頷きました。
気持ちって、大人ですら良く分からないものです。
けれども、良い気持ちもそうでない気持ちも、全て自分から生まれたもの。
全て大切にしてゆきたいです。 (なーお00さん 20代・その他の方 )
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