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はなめんちゃんは、今日こそは小川をとびこえようと裏庭に行きました。すると、動物たちが声をかけてきて……。さあ、はなめんちゃんは、無事小川をとびこえることができるのでしょうか? 少女が困難を乗り越える姿を幻想的に描いた、スズキコージの感動作。
スズキコージ作品にしては、とてもわかり易く、静かな感動をよぶ作品です。スズキコージさん、こんな感動的なお話も描けるではないですか。
主人公のはなめんちゃんは、『ほかほかパン』の主人公と同じ名前。同一人物かどうかは不明ですが、スズキコージさんのお気に入りの名前なのでしょう。変わっているけれど、親しみやすい名前です。
はなめんちゃんが、小川を飛び越えようとする思いと、周りの生き物たちの静かな応援が、物語を進めていき、いよいよ「飛ぶよ!」というところで、クライマックスはやってきます。
水しぶきがあがってハッとした後の静寂が、心に響いてきます。そして、最後にタイトルの文が置かれ、余韻を残して締めくくられます。
読見終わった後に、何とも言えない心地良さが残ります。
個人的には、銀色の水しぶきをあげて、集団で泳ぐ魚達の姿が好きですね。現実と神秘の間を行き来しているような神々しさがあります。
ハチャメチャなスズキコージ作品も大好きですが、こんな静かなスズキコージ作品もとても素敵で、大好きです。 (金のりんごさん 40代・ママ 女の子11歳、男の子8歳、男の子6歳)
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