のぞみが大好きだったおじいちゃん。 小さな頃からいつも二人で散歩に出かけては、いろんなお話を聞かせてくれたおじいちゃん。 ところがある朝、突然倒れて天国に行ってしまったのです。 のぞみは毎日が悲しくてたまらない…。
そんな彼女の夢の中に、おじいちゃんがあらわれます。 「“おじいちゃんの木”を おじいちゃんじゃ おもうて、なんでも はなしてほしいんじゃ。」 “おじいちゃんの木”は、のぞみが生まれた時におじいちゃんが植えたけやきの木。のぞみは、その日にあったことや嬉しかったこと、泣いちゃったことなど、なんでも木に話しかけることで、心が少しずついやされていきます。
大好きな人との別れ。突然やって来たその悲しみの重さに耐えるのぞみを支え続けたのは、おじいちゃんの深い愛情です。おじいちゃんが教えてくれたこと、交わした言葉、ほめてくれた歌声。それらのひとつひとつが、のぞみの進むべき道を照らしてくれているかのようです。 誰かに見守られている、そう思うだけで子どもたちはこんなにも強く、前を向く事ができるのですね。
祖父と孫、それはまわりから見ても特別な関係のようにみえることがあります。このお話も、石津ちひろさんが、ご自身のお父さんと娘さんとの交流の思い出をもとに描かれたそう。その大切な感情ひとつひとつを、松成真理子さんが丁寧に、そしてみずみずしい色彩で見事に描き出しています。 成長していく少女を見守るけやきの木と空の雲。その美しさに、ただただ見とれてしまいます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
大好きなおじいちゃんが亡くなり、悲しみに沈んでいたのぞみ。“おじいちゃんの木”に話しかけることで、のぞみの心は少しずついやされてゆき…。石津ちひろさんが、ご自身のお父さんと娘さんとの交流の思い出をもとに描いた感動作。祖父の深い愛情に支えられて成長する少女の姿を、松成さんがみずみずしい色彩で生き生きと描きます。
小2の子供が夜になると「死」について考え込むようになりがちになったのをきっかけに「死」をテーマにした絵本を探して辿りつきました。
まだ実際に子供には読んでいませんが、読み時を選んで是非読んであげたいと思った一冊です。
おじいちゃんが亡くなって悲しい気持ちののぞみちゃん。
でも、おじいちゃんの木に話しかけることをし始めてから、少しずつおじいちゃんの想いに触れて日々の生活を送るようになり、自然におじいちゃんの死を受け入れていくようになる様子が伝わってきます。
自分の死は勿論、それ以上に身近な人の死を不安に思っている子供に読むべきか、もう少し後にすべきかと今迷っていますが、私自身が読んでいて気持ちが落ち着けたというのもあり、とても穏やかに伝わる印象があるので今のうちの子供でも大丈夫かなと思いました。 (ごまこんぶさん 40代・ママ 男の子8歳)
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