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昔話っぽいストーリーが魅力
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投稿日:2012/02/22 |
「ひとりぼっちのかいぶつといしのうさぎ」「かしこいさかなはかんがえた」で知られるクリス・ウォーメルの2011年の新作。
主人公は、何とぬいぐるみのクマ。
散歩していて、森にやってきたところから物語は始まります。
その森から聞こえてきたのは、6匹のネズミの助けを呼ぶ声。
迷子になった6匹のネズミは、クマにふくろう、キツネ、ヘビに食べられちゃうと言うのです。
それからは、クマの知恵の見せ所。
クマは、ふくろう、キツネ、ヘビを巧みに騙すのですが、その文句が何とも言えません。
それにしても、ふくろう、キツネ、ヘビの写実的な絵は、クマの絵との対比が絶妙。
最後のシーンでの3匹の絵には、圧倒されるお子さんもいるのではないでしょうか?
一寸昔話っぽいストーリーは、懐かしい感じもあって、かなり楽しめるもの。
大判の絵で、読み聞かせにピッタリの作品としてオススメです。
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一寸した自伝的作品
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投稿日:2012/02/22 |
バーバラ・マクリントックと言えば、「ないしょのおともだち」「シモンのおとしもの」等を読まれた方も多いと思います。
そんな彼女の一部自伝的作品です。
また、2006年度の小学校中学年の読書感想文コンクール推薦図書にもなっていました。
物語の主人公のダニエルは、絵を描くのが大好き。
変わったものを描くとある通り、擬人化した動物の絵は、それこそ空想の翼を広げたもので、見るものを魅了すること間違いありません。
ただ、この作品では、ダニエルの絵を写真家である父は決して認めることをしないという設定です。
見たものを忠実に写すという職種からすると、止むを得ないのかも知れません。
そんな時、出会ったのが、画家のカミーユ・ブトン。
何と、彼女の描く絵は、ダニエルの描く絵とそっくりなのです。
ブトンは、ダニエルの素質を認めて、助手として採用することになるのですが、他人と違っていても決して気にすることはないと、さり気なく諭してくれる作品です。
そして、最後の父の一言が、心の琴線に触れるものでした。
「この子はこの子で、じぶんの道を見つけたんだな」
どうです、いい言葉ですよね。
何と言っても、バーバラ・マクリントックの絵が、絶品です。
彼女の描く絵は、どれも好きなのですが、今回は空想の絵が中心となっているので、なおさら魅了されました。
また、ストーリー自体も、一寸飛躍し過ぎの感はあるものの、ダニエルの絵に打ち込む姿や、それを理解するブトンの行為を鑑みると、思わず素敵といわざるを得ません。
伊達に読書コンクールの推薦本になっていないことが、容易にうかがい知れる素晴らしい作品です。
小学校中学年対象ですが、それより低年齢でも充分に楽しめると思います。
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田植えの仕組みがわかります
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投稿日:2012/02/22 |
かがくい ひろしさんと言えば、「だるまさん」三部作シリーズがつとに有名です。
三部作で50万部突破しているとのこと。
加岳井 広という苗字ですが、とても珍しい。
調べたら、かがくいさんは、2009年9月28日に54歳という若さで急逝されていたのですね。
僅か2005年〜2009年という創作活動ですから、本当に短い間に名作を残されていたのだと思います。
この作品は、2007年のもの。
主人公は、おむすびさん。
文字通り、おむすびなのですが、それが田植えをする発想が◎。
いつもながらに、かがくいさんの目の付け所に脱帽です。
そして田植えを手伝ってくれるのは、村のみんな。
それも、具のしゃけ、たらこ、おかか、うめぼし、こんぶを始め、おいなりさん、ほそまきさん、ふとまきさんなんて面々ですから、ワクワク感は募るばかり。
田植えのシーンが丁寧に描かれているので、子供との会話が弾むこと間違いありません。
それにしても、こうした文化を上手く挿入するのが、かがくいさんは得意ですね。
田植えとは、古来、神事であり祭りであり、集落で手伝い合う「結い」と言う共同作業であったのですが、それをさり気なく描写するなんて、凄いと言うしかありません。
その後、たこどんといかどんも田植えの手伝いに来るのですが、8本足のたこ、10本足のいかの、田植えの巧みなこと。
充分、笑わされてしまいました。
田植えを終えた後の日焼けした姿にも、大笑い。
しかも笑いの中に、ほっとさせる優しさもあって、オススメの作品です。
かがくいさんの作品は、どれをとっても、外れがないので全部読破したくなりました。
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躍動感がたまらない作品
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投稿日:2012/02/20 |
1950年のアメリカの作品。
作のティボル・ゲルゲイは、1955年に『コウノトリのおはなし えんとつのうえの車輪』の絵を描き、コールデコット賞オナー賞を受賞しています。
物語は、消防車の活躍を描いた至極シンプルなもの。
舞台は消防署。
隊員は、火災の知らせを聞くや否や、棒を伝って消防車に飛び乗ります。
消防車に立ち乗りするとこなんて実に恰好良くて、その一挙手一投足はどれをとってもたまらないはず。
火事現場も、臨場感が溢れるもの。
その消火作業の道具が、日本ではお目にかからないものが結構あることなんて、この際お構いなし。
どのシーンも、目が離せません。
消火活動を終えての最後の帰路のシーンも、颯爽としていて、最初から最後まで見所満載の作品と言えそうです。
60年以上前の古典的な作品なのですが、全く古さを感じません。
ただ、1つ注文があるとすれば、それは人物の描き方。
みんな小太りで、同じような顔なので、もう一工夫欲しかったところです。
日本の消防車の作品にはない鮮やかな色合いと躍動感を、是非多くのお子さんに堪能して欲しいと思います。
車好きのは、超オススメです。
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静かに語る絵が美しい
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投稿日:2012/02/05 |
ジョナサン・ビーンが、はじめて絵と文を手掛けた絵本とありました。
邦訳された作品として、「パパがやいたアップルパイ」があります。
その時のイラストは、バージニア・リー・バートンやワンダ・ガアグの影響を受けていると書かれていましたが、なるほど納得できる絵だった記憶があります。
場所は、ニューヨーク辺りでしょうか?
主人公のおんなのこは、どうしても眠ることが出来ません。
そこで、屋上に布団を担いでいって、ベットを作りそこで、寝ることにします。
屋上のベッドは素敵な空間で、おんなのこは、幸せな気持ちで心地よい眠りにつくことが出来るのです。
ママが寝ているおんなのこに寄り添い、熱いお茶を飲んでいるシーンで終わるのですが、何とも言えない暖かな気持ちにさせられました。
大人の絵本です。
何と言っても、静かに語りかけてくる絵が美しい。
しかし、残念ながら、てんぐざるさんが言われるように、絵本のサイズがこれでは魅力が半減です。
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コウモリと図書館の組合せが絶妙
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投稿日:2012/02/05 |
「コウモリ うみにいく」に続く第2弾。
ブライアン・リーズは、1963年アメリカのニュージャージー州生まれで、既に20冊を越える絵本を発表しています。
前作に続き、その精緻な絵は、驚愕。
主人公のコウモリですが、精緻だけでなく、程よくデフォルメが効いていて、その加減が絶妙です。
前作では、コウモリが、夜に海水浴に出かけるというストーリーで、その発想自体も素晴らしいものだったのですが、その虫を食するシーンが、あまりにもリアルで、その点だけがマイナスでした。
さて、今回の舞台は図書館。
図書館の窓が開いているという情報が入り、コウモリ達が喜んで図書館に向かうシーンで物語は始まります。
図書館という設定が◎。
大人達は、蛾の図鑑や数学の本(「フィボナッチ 自然の中にかくれた数を見つけた人」に登場の図式)を読んでいます。
それに対し、子供達は、OHPやコピー機、果ては飛び出す絵本のお城で遊んだりと、本を読むこと以外に夢中です。
それでも、大人が本を読み聞かせを始めると、みんな大人しく聞き始めるのですが、コウモリらしく本も聞き手のコウモリの子供達も逆さまというのが、良い感じです。
それぞれが、本の魅力に引き込まれ、本の登場人物になりきる様が描かれているのですが、その本の多彩なこと。
「オズの魔法使い」「かもさんおとおり」「おやすみなさい おつきさま」「アラジンと魔法のランプ」「チキチキバンバン」「赤頭巾」「アーサー王」等々、分からないものもありますが、とても魅力的な絵図が目白押しです。
今回の作品は、その精緻な絵のみならず、場所の設定が図書館ということが奏効し、非常に楽しめる作品に仕上がっています。
何と言っても、本を読むということの楽しさが伝わってくるのが、ポイントでしょう。
アメリカでは第3段も発刊されているので、その邦訳も待ち遠しいところです。
それにしても、コウモリに焦点を当てたブライアン・リーズのセンスには脱帽です。
作者紹介の写真も逆さまになっていて、そのユーモアセンスも納得できるものだと思います。
超オススメの作品です。
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物を大切にすることが理解できます
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投稿日:2012/02/05 |
この作品は、イディッシュ語の「オーバーコートをもっていた」という歌が出典元。
物を大切にするというユダヤ人文化の教えが、詰まっています。
因みに、イディッシュ語とは、世界中で400万人のアシュケナージ系ユダヤ人によって使用されている言語のこと。
この作品は、1992年ですが、2000年にシムズ・タバックが同じ出典元の作品「ヨセフのだいじなコート」を描き、コールデコット賞を受賞しています。
タバックの作品の特徴は、仕掛け絵本になっていたこと。
ヨゼフのコートに穴が開いているのですが、その穴の部分に凹凸をつけてあるのです。
最初は、大事なコートなので、継ぎを当てていましたと始まるのですが、次のページでは、コートをジャケットに作り変えています。
その繰り返しが、どんどん続くという物語なのですが、作り変える部分の生地が仕掛けになっているので、子供も釘付けにするはずです。
また、絵も、水彩絵の具、グワッシュ、色鉛筆、インク、コラージュで製作しましたとあるように、作者が思いっきり楽しんでいるようで、見所満載でした。
それに比すると、この作品は、絵が物語る作品と言えそうです。
ストーリーは、同じく、おじいさんが作ったブランケットが古くなったので、おじいさんが次から次へと作り変えていく様を描いた物。
ブランケット→ジャケット→ベスト→ネクタイ→ハンカチ→ボタンと作り直していくのですが、その描写が実に見事。
二階建ての建物の断面を描く手法が取られているのですが、おじいさんばかりでなく、その人間模様も詳細に描かれているのです。
生活様式が異なるのでちょっと難しいシーンもありますが、その生活感のある絵は、実に楽しい物です。
しかも、地下にはネズミの一家も住んでいて、おじいさんのブランケットの切れ端で、服とかカーテンとかを作る様が描かれており、2度美味しいといった感じです。
良く出来たエンディングも納得もので、何度読んでも新しい発見のあるオススメの作品です。
個人的には、タバックの作品よりも楽しめました。
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ありがとうを言いたい気持ちになる作品
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投稿日:2012/02/05 |
「まりーちゃん」シリーズが有名なフランソワーズの作品です。
何と、フランソワーズは1897年生まれで1961年没とあり、この作品は1947年の作品でした。
物語は
「コケコッコー!
おはよう おんどり
ありがとう
きょうも ぱっちり めが さめた」
という書き出しで始まります。
そんな「ありがとう」のシーンが続くのですが、人に対しての「ありがとう」でないところがミソ。
そう、この絵本は、自分が生きていることに感謝し、周りの全てのものに感謝するという崇高な思いで描かれたものなのです。
ですから、「ありがとう」の対象が、すべての身近なものになっています。
この感謝の気持ちって、とても大事。
当たり前と思っていることにも、感謝の念を持って接することが、小さい頃から身についていたとしたら、人として間違ったことはしないはず。
そんな思いで、この絵本を読みました。
決して華やかな作品ではありませんし、興味を全く示さないお子様がいるかも知れませんが、是非一度は読み聞かせして欲しい作品です。
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見応えある組み木絵
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投稿日:2012/02/05 |
珍しい組み木による絵本です。
作の中村道雄さんの前書きに
「人間も自然の中の一員なのだという事を訴えかけたいと思っておりました。そんな考えの中で生まれたのが、木で絵を作るという(組み木絵)という表現方法でした」
とありました。
そんな志を持って、大人にも見てもらえる絵本を目指して作成された絵本ですが、充分納得できる出来栄えの作品となっています。
「組み木絵の出来るまで」が巻末にありますが、その作業は気の遠くなるような工程を経て作成されるのが良く分かります。
単に木を切れば良いというものではなく、その色合い、バランスを考えて木を探してこないとなりませんから、その手間たるや、想像を越えたものだと思います。
でも、その自然の美しさは、見る者を魅了するに充分なもの。
木ならではの木目の美しさ暖かさがあって、作者の意図は、読み手に充分伝わる事と思います。
その絵に中山千夏さんが、詩を添えていますが、A〜Zの文字にあわせた構成も洒落ているものでした。
1つ残念なのは、折角、紙質も硬いものにしているのですから、絵本として見るだけでなく、飾れるように工夫が欲しかった点。
インテリアとして、気にいった絵を飾りたいというニーズは必ずあるはずで、見開きの絵が水平になるような装丁であれば、なお良かったと思います。
本体2500円+税という定価を鑑みても、もう一工夫欲しかったと思います。
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今日的な問題に取り組んだ作品
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投稿日:2012/02/05 |
2009年のイギリスの作品。
アメリカ生まれの日本を代表する詩人という触書のアーサー・ビートが、とても気になりました。
彼は、卒論の執筆時に日本語に興味を持ち、1990年6月に単身来日。
来日後、通っていた日本語学校の教材の小熊秀雄の童話『焼かれた魚』を英訳した事をきっかけに、日本語での詩作、翻訳を始めたそうです。
現在は活動の幅をエッセイ、絵本、ラジオパーソナリティなどに広げており、全国各地で講演活動等も行っています。
いわむらかずおさんの「14ひき」シリーズの英訳もされており、日本の作品が英訳されて紹介されることは、非常に好ましいことだと思います。
主人公は、モルモットのクリストファー。
タンポポの葉が大好きです。
最初は、モルモット達が楽しくタンポポの葉を食しているシーンで始まります。
しかし、モルモットヶ丘のタンポポが、モルモット達に食べ尽くされてしまったから、さぁ大変。
ネットでも購入できるのですが、高騰しているなんて、今時の話っぽい展開です。
クリストファーが、最後のタンポポを発見し、この食糧危機を乗り切るべく奮闘するのですが、今日的なテーマに取り組んでいると言えそうです。
コラージュを使った絵は、新鮮な感じ。
冒険と言った方が相応しいかも知れません。
ストーリーは、文字数は多いものの、分かり易く食育にも役立つ作品だと思います。
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