「かっこわるいよ! だいふくくん」 しずまりかえった よるの しょうてんがい… わがしやさんから こえがします
みずまんじゅうが いいました 「きみは からだが こなこなで あたりを こなだらけにしちゃうんだ みてみて ぼくの このからだ つやつや ぴかぴか きれいでしょ」
かしわもちが いいました 「きみは いつでも はだかだね みてみて ぼくの このはっぱ とても おおきくて いかすでしょ」…
かしわもちに続いて、くしあんだんごもコンペイトーもだいふくくんをバカにします。ところが、そんな和菓子たちをねらっているねずみがいました。
ねずみが和菓子たちにおそいかかったときに、自分の身を犠牲にしてみんなを救ったのは、なんとだいふくくんでした。闘って傷ついただいふくくんのからだの中から、みんなの憧れの的のいちごが姿をあらわしました。
ほんとうのかっこよさとは何かを問い掛ける絵本です。
本当に「かっこいい」っていうことは、こういうことさ!といいたくなる絵本です。
綺麗な和菓子たちは、だいふくくんのことをからかいます。
「かっこわるい」「かっこわるい」と。
つやつやの体も持っていない、イカすはっぱももっていない、仲良し友達とくっついていない、色鮮やかでもない、形もこっていないし、ぎっしり何かの実がはいっているわけでもない、だいふくくん。
けれど、彼には、他の誰もがもっていない、スペシャルなハートがあった。
自分をからかったみんなの為に、勇気を振り絞ってたたかう大福くん。
そして、最後には、その身をなげだして、他者を幸福にさせて、自分は消えてなくなる。
正直…子供むけ絵本ですから、このラストでいいのか、少し迷いましたが。
でも、やっぱり、このすがすがしいまでのヒーローぶりには拍手をせずにはおれません。
この真の「かっこよさ」。
ぜひ、子供には深く印象に刻んでもらいたい、そう感じました。 (ルートビアさん 30代・ママ 男の子4歳)
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