アフリカの広い空に、風のつよい夜のこと。ゾウの赤ちゃんが生まれました。バオバブの木のように大きくつよくなあれ、という願いをこめて、バオバブという名前がつけられました。ところが次の朝、バオバブはとうさんゾウよりも大きくなっていて……。 約30年前にあかね書房から出版された作品をサイズを大きくして復刊。今でも読む人の心に新鮮な風をはこんでくれます。
生まれた子ゾウがどんどん大きくなることは、嬉しいことでしょうが、大きくなりすぎると、脅威にも困り者にもなってしまいます。
子ゾウバオバブのせいではないのだけれど、社会のキャパシティとはそんなものでしょうか。
バオバブは仲間から追い出されてしまいますが、優しさを失わずにいました。
外からの侵略者から仲間たちを救うことはできなかったけれど、人間たちを追い払うことはできました。バオバブは森の守り神になったのですね。
これだけのお話ですが、タイトルが「風にふかれて」なんて、何だか自然にぴったりとしていて素晴らしく思いました。
ちょっと長すぎて読み聞かせには難があるのが残念です。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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