日本の名作を重厚な油絵で描いた、戸田幸四郎の名作絵本シリーズ。 このお話は宮沢賢治の世界を象徴する名作なのですが、絵本化されているのは本作のみ、という賢治童話の中でも珍しい作品です。
人や動物から恐れられる一匹の竜。ある時「もう、悪いことをしない。」と心に誓います。許すこと、受け入れること。自分の命さえ投げ出すような、壮絶なまでの竜の優しさは、読む者に「優しさ」の意味や本質を問いかけてきます。
竜の姿を前に、子どもが釘付けになったという読者のお手紙も多くいただく本作。子どもたちの心に、深い余韻をもたらすでしょう。
宮沢賢治の作品集から文章を借り、絵本とした作品。
最初に「このはなしはおとぎばなしではありません」という
前書きが力強いです。
皆に害を与える運命の竜。
ある時よいこころを起こした竜の行く末。
その決意の深さが、自己犠牲という行動に体現されます。
自己犠牲のお話はたくさんありますが、
竜の行動は苦痛を伴います。
その痛みがジンジン伝わります。
最後には乾いて死んでしまった竜は
天上でお釈迦様に昇華します。
宮沢賢治の作品に込められた力強いメッセージは
今も衰えていませんね。
いいえ、今の時代こそしっかり感じ取る必要があるかも
しれませんね。
長男はなぜかしら宮沢作品がお気に入り。
奥深い精神をしっかりと読み取ってもらいたいものです。 (レイラさん 40代・ママ 男の子13歳、男の子10歳)
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