「オルドリン、みて!お月さまのかたちが かわってるよ。どうして?」
ある晩、森のみんなであつまって 焚き火にマシュマロをかざしていたら、 ふと夜空を見上げていたうさぎが不思議そうに言ったんです。
「しってる、しってる!」が口癖の 自称「森一番のものしり博士」あらいぐま「オルドリン」。 唐突になげられたうさぎの質問にドッキリ。 だって本当は知らないんだもの・・・。
「ふむ、ちゃんと しらべたほうが いいな。 あしたのよる、ぼくの テントに あつまってくれ」 なんてその場ではとりあえずもっともらしくごまかして 何も知らないうさぎときつねときつつきと一緒に 「お月さま捜査本部」をたちあげます。 ところがその輪の中に入らず、なんだか謎の単独行動をする二頭のくまのハッブルとラベル。 どうやら月が欠けていることも何か知っているみたいですよ。 二人の不可思議な行動に、お月さま捜査本部は動き始めます。 一体、二人は毎日なにをしているの?そして月の形はどうして変わるの?
可愛らしい絵本です。 誰もが子ども心に不思議に思う、月の満ち欠け。 この絵本ではその答えを優しくわかりやすく教えてくれます。 なんでも知ったかぶりしてしまう憎めないあらいぐまのオルドリン。 ちょっぴり誰かさんに似ているかも? くまのハッブルとラベルが何をしていたのか気になりますが、 それは森のみんなと一緒に絵本の中で発見してみてくださいね。
絵本の最後に作者のリチャード・バーンさんのメッセージがあります。 「この絵本の制作中に、この世を去った偉大なる宇宙探検家、 ニール・アームストロング、サー・バーナード・ラベル、そして サーパトリック・ムーアに捧げる。」 月への扉を開いてくれた宇宙探険家たちへの感謝の言葉と その宇宙への思いに胸が熱くなりますね。 お月さまがよくでている夜に読みたくなる絵本です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
なんでも知っているつもりのあらいぐま、オルドリン。ある日、欠けていくお月さまに気づいたオルドリンたちは、調査を始めます。くまのハッブルとラベルが怪しいけれど…。月の満ち欠けについてが分かる、翻訳絵本。
知ったかぶりはいけません。わからないことは、素直に認めましょう。そして調べましょう。
そう言ってしまったら、この絵本の面白さは半減してしまうような気がします。
オルドリンの想像力は想像力で、お話を盛り上げています。
よくそこまで思いつくものです。
ホラ吹きはいけないけれど、大切にしたいですね。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
|