クーボは、冒険心あふれる男の子。 ある日、相棒のストロベリードッグと、水たまりをのぞく遊びをしていました。 しかし、どんなにクーボたちがおもしろい顔をしても、 水たまりの中のクーボはニコリともしません。 ふしぎに思ったクーボは、時空を超えることのできるマシーン、 ドングリンに乗って、みずたまりの世界へ! そこは、「おはよう」と声をかけても「こんばんは」、 「おいしいですね」には「まずいよ」、 「きれいですね」だと「みにくいよ」と、 すべてさかさまの答えしか返ってこない世界「さかさまこく」。 ここは、思ったことを口にしてはいけない国なのです。 本当のことばかりを口にしていたクーボは、 パトロールカーに見つかり、さかさまこくを治める、だいまじんのお城に連れ去られてしまいます。 クーボはさかさまこくの異変を解決することができるのでしょうか? そして、元の世界に戻ることはできるのでしょうか……。
「ゴーゴークーボ!」シリーズ1作目として出版された本作品は、 スイス人アーティスト、フィリップ・ケーサーの描く、オリジナリティあふれるキャラクターと、 独特の色彩が目を引きます。 さかさまこくの住人や建物などの造形もとてもスタイリッシュ。 見ているだけで、ここではないどこかへ旅をしている気分になります。 本当のことの言えない「さかさまこく」という設定や、 さかさまこくを治めるだいまじんの意外なコンプレックスなど、 少し大きいお子さんでも楽しめるストーリーも魅力的。 クーボたちが次はどんな世界へ冒険に行くのか、 新しくどんなキャラクターが登場するのか、続編が待ち望まれるシリーズです。
(木村春子 絵本ナビ編集部)
スイス人アーティスト、フィリップ ケーサーが描く、 独特な造形と色彩のビジュアル表現。 そして、奇想天外かつオリジナルな世界観とストーリー。 これらが子供達のイマジネーションを刺激しながら、心のありようも育みます。
日常の何でも無い風景や空間が突然! COOBO(クーボ)の大冒険のフィールドになります。 自分の部屋の壁のシミから始まって、地下室の洗濯機、棚の上の金魚鉢 タンスの裏の不思議な穴、冷蔵庫の氷室、夜中にクローゼットから聞こえる洋服たちのおしゃべり... 冒険は家の中から、庭の世界へ。 大雨のあとの水たまりを見ていたら、中に左右反転の自分がいた! やがてふたりは家を出て、森の中へ。 おっきな樹にぽっかりと空いたうろの中、秘密の滝壺の裏の世界など 世界が自分の部屋から外の世界へグングンと広がって行きます。
毎回 COOBO(クーボ)はピンチと遭遇し、それを仲間と解決し、 その度、クーボは色々な『知恵のかけら』を手に入れます。 その『知恵のかけら』はまだ知らない世界への入り口の『鍵』となるのです。
主人公COOBO(クーボ)の冒険を通じて子供達は世界を広げ、 他者と自己の違いを知り、協調性や共感性など様々な人間社会のルールを学びます。 同時に、自由な発想こそが、より良い社会を作るのだということを理解するでしょう。
すべての子供達に、正しく美しい心のありようを伝えたい。
それがCOOBO(クーボ)の絵本のビジョンです。
スイス人アーティストの作品で、造形や色使いがとても独特で鮮やかで、今までに見たことがないような世界が広がります。
一度見たら忘れないような、とてもユニークな作品なので、好みは分かれるかもしれません。
ストーリーとしては、とても面白く、子どもたちにも分かりやすい内容になっています。
『ありのままの自分を受け入れる』というテーマが根底にあるので、その辺も最近のトレンドだと思います。
努力するということと、自分とはかけ離れた他のものになるということは、まったく違うことなので、わたしはとても好きなテーマなのですが、『ありのままの自分』でいいなら努力しなくてもいいじゃん、ということではないということをフォローしなければならないのかなとも思います。 (ロアルダールさん 40代・その他の方 )
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