ひとすじの道、そして幾千の物語
表紙をめくると、背中を向け、足を踏ん張って立つ子ども。小さな一歩を踏み出そうと決心した、その行く手には、まっ白な道が、どこまでものび、その先には、ふしぎな町の数々が、待ち受けている。彼、彼女と一緒に道をたどるようにして、ページをめくってみてください。次々に現れる、ため息のでるような色彩と繊細なタッチで描かれた町のすみずみに目をこらせば、秘められたたくさんの、そして自分だけの物語が見つかるかもしれません。
手に取って、まず驚くのが、本の重さです。
まるで図鑑のようにずっしりとした手応えに、少し困惑しながら表紙を開くと、そこにはドアノブが…。
そこからは、本の中に引き込まれます。
描きこまれた美しい世界を、主人公と一緒に辿っていくのは、とても幸せな時間でした。
読み進めて、あ、なるほど…とじわじわ感動しました。
それから何度も読み返し、読み返すたびに、色々な事に思いが馳せて…大人はもちろん、大人に向っていく子ども達にも紹介したいと思いました。
ぎゅっと詰まった、深い一冊。 (こはこはくさん 50代・ママ 男の子12歳)
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