人気の落語絵本シリーズももう11冊目。毎回驚かされる軽快なテンポの気持ち良いストーリー展開、読むのが楽しい言葉使い、ちょっぴりひねりの効いたユーモア・・・そんな傑作絵本が次々出てくるのは落語の世界の奥の深さ故。時代も世代も飛び越えてみんな楽しめる、これが基本なんだと改めてこのシリーズは教えてくれているようです。 さて、今回は「おおおかさばき」。そう、かの有名な大岡越前の登場です。江戸が舞台のときのお奉行様といえば南町奉行大岡越前守で決まりなんであります、そうだ。内容は「三方一両損」という話から出来ています。拾った財布をめぐってケンカが勃発するのですが、これが拾った方も落とした方も受け取らない!という言い分だから驚くのです。あまりにも実直で純粋な主張がかえってユーモアに結びついていくのもまた新鮮。 そして最後は待ってました、お奉行様のお裁き・・・お見事!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
左官の金太郎、大金の入った財布をひろい、落とし主の大工の吉五郎に届けに行ったところ、「おせっかいなまね、しやがったな」と、どなられるしまつ。 「出てった金は受け取れねえ、ひろったおまえのもんだ」 「せっかくもってきたものを」と、互いにひっこみがつかず…。 家主も手を焼いて、お奉行のお裁きをうけることに。
★ひとこと秘話 今回二人を裁いたのは、名奉行と名高い大岡越前守。 テレビの時代劇でも大活躍でおじいちゃん世代なら、よ〜く知っているはず。 奉行所のようすや、役人に出で立ちなど、時代考証が大変で、川端さんは江戸村や映画、絵図などの資料を参考にしたそうです。
この落語絵本シリーズ、子どもも「鬼のめん」「そばせい」など、少し文章は長いけど大のお気に入り。子ども以上にはまっているのは、お笑い大好きのお父さん。表紙をみるなり「それそれっ読ましてッ!」と、どれを読もうか迷っていた兄を説得して、読み聞かせていました(笑)
とっても有名は「南町奉行、大岡越前」の三方一両損をモチーフにしていて、最後まで江戸っ子魂や人情にあふれたお話に、読んでて心がスッキリ。最後のおちもビシッと決まって、旦那は子どもが寝た後にじっくり読み返していました。「本当に、この落語絵本大人がはまるよな〜。」と、子ども以上に喜ぶお父さんのためにも選書に力が入ります。 (やっちょとやまちゃんさん 30代・ママ 男の子5歳、男の子4歳)
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