みんなの「いい一日」は、なにでできている?『いい一日ってなあに?』【NEXTプラチナブック】
ダニエルは近所の人たちと仲良し。街を歩いていると、みんなが「いい一日をすごしてね!」と声をかけてくれます。「いい一日ってなんだろう?」ダニエルは、おばあちゃんちに歩いて向かいながら、いろんな人に尋ねます。「ねえ、サンチェスさんにとって、いい一日ってなあに?」「おねえさんは、どんなときに、いい一日だって思うの?」
仲良しのサンチェスさんは「空が晴れ渡ってる日」と言い、「だってこんなふうにペンキが塗れるでしょ」と答えます。凧を持っているおねえさんは「穏やかに風が吹いている日」と答えます。ダニエルはお隣のご夫婦にも聞きます。公園で子どもを抱えるシッターさんにも、バスの運転士さんにも……。
それぞれ答えは違うけれどどの人にとっても「いい一日」がある。そして、皆、自分の大切なものが「いい一日」を作っているのだとわかります。おばあちゃんには大好きなダニエルがハグしてくれた今日が「いい一日」なんだってことも……。
世界のささやかなものへの愛が溢れた、美しい絵本。作者のミーシャ・アーチャーは、初めての自作絵本『詩ってなあに?』でエズラ・ジャック・キーツ賞を受賞。油絵やコラージュを使った技法で、カラフルな作品を作り出しています。
本書で、最後に家に帰ってきたダニエルに、お母さんは尋ねます。「きょうは、どんな一日だった?」 そこで「すっごくいい一日だったよ」とほほ笑みながら答えるダニエルの表情が素敵なのです。みんなの愛する「いいもの」が、わたしやぼくの、幸せにつながっていくんですね。ダニエルは自然にそれを学びます。日々のシンプルな幸せに気づかせてくれる、そして、力強い未来への希望が伝わってくる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
街をあるくダニエルに、近所のみんなが「いい一日を!」と声をかけてくれます。「いい一日って、なんだろう?」ダニエルは、いろんな人にたずねてまわることに。庭仕事をしている人にとっては花にとまったミツバチを見つけた日、ケーキやさんにとっては誰かの誕生日、ダニエルのおばあちゃんにとってはダニエルがハグしてくれた日! 最後にダニエルはみんなのいい日でいっぱいの、すてきな詩をつくります。 今日がみんなにとっていい一日だったことを素直に喜ぶダニエルの様子が、ほほえましい。日々のなかにあるシンプルな幸せに気づかせてくれる作品です。
以前読んだ、同じ作者さんの『詩ってなあに?』という作品が素敵だったので、こちらも読みたいと思いました。
「いい一日をすごしてね!」とおばあちゃんに言われたダニエル。いい一日ってなんだろう?と、まちの人たちに尋ねて回ります。
コラージュで描かれた色使いのきれいなイラストがとても素敵でした。
読んでいてとても気持ちの良い作品です。なんだか今日がいい一日になりそうな気がしてきました。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子16歳、男の子13歳)
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