雪の降るクリスマスイブの日、牧場に住む黒いろばは女の子たちにサンタクロースのおじいさんについて教えてもらいます。おじいさんはイブの夜やってきて、くつ下の中にプレゼントを入れてくれるというのです。ろばは自分もプレゼントがもらえたら、どんなに素敵だろうと思いました。 その夜、ろばは偶然にも話に聞いたサンタクロースのおじいさんを見かけます。おじいさんは、足を痛めた一頭のトナカイのかわりにそりをひいてくれないかとろばに頼みました。「お手伝いしますとも!」とろばは喜んで、お手伝いを引き受けました……。
与えること、捧げることの素晴らしさを伝えるクリスマスのメッセージが、ろばの思い、行為を通して静かに語られる秀作です。 クリスマスイブにプレゼントを配る話を聞き、やさしいサンタクロースの存在にひかれた小さなろば。幸運にもその夜、おじいさんを手伝う機会を与えられ、ろばは喜んでそりを引きます。ろばの純真な心は、クリスマスの清らかさそのもの。透明感のある水彩画がその清純さを柔らかく描き、ページごと心が洗われます。小さなろばへのクリスマスプレゼントは何だったのでしょう。 落ち着いた濃い赤の表紙は、クリスマスの美しさを集約しているかのように気品があります。 ――(ブラウンあすか)
昼間遊ぶときも夜眠るときもひとりぼっちのちいさなろば。クリスマスイブにプレゼントを配る手伝いをしたろばに、サンタクロースがくれたものは……。心温まる美しい絵本。
ちいさなろばは、昼間遊ぶときも、夜眠るときも、ひとりぼっちです。囲いのなかをぐるぐる走り回っているちいさなろばのところに、二人の女の子がやってきて、「きょうはクリスマスイブだからサンタクロースがプレゼントをくれるの」と話していきました。その夜、鈴の鳴る音で目が覚めたろばの目の前に、トナカイのひくそりに乗ったサンタクロースが現れて、「足を痛めたトナカイの代わりにそりをひくのを手伝ってくれないか」と頼みます。ちいさなろばは張り切ってそりをひきます。プレゼントを配り終わって牧場にもどったろばに、サンタクロースは「あしたの朝、なにかがおまえを待ってるよ」と言います。さて、クリスマスの朝、ちいさなろばを待っていたものは、それはそれはすてきなものでした! 『こすずめのぼうけん』『黒ねこのおきゃくさま』など、子どもの心をとらえるお話の名手、エインズワースの原作が、石井桃子の名訳と酒井信義の格調高い絵で、美しい絵本になりました。
クリスマスシーズン、いろいろなクリスマスの絵本を読む中で
友人に紹介されて、この本を読みました。
ひとりぼっちのろばが、
人間の女の子にサンタさんのことを聞き
自分のところにもサンタさんが来てくれるだろうかと思っていると
クリスマスに、サンタさんがやってくる。
傷ついたトナカイの代わりに一晩働いて
疲れ切ったろばが
サンタさんに望んだプレゼントは
一緒にいてくれる、友達のろば。
ああ そうだな。
自分にとっても、
育児に疲れ切った時
子どもたちとうまくいかなかったとき
夫と気持ちがすれ違いつらいとき・・・
支えてくれるのは、大切な友達の存在。
この絵本を教えてくれたのも、
そんな大切な友達のひとりです。
毎日の生活の中で
イライラや、不満や、誰かを羨む心
そんな気持ちになることもたくさんあるけれど
夫と、かわいい子どもたちと、よき友達に恵まれて
それで、十分、しあわせなことだな
改めて、そんな当たり前のことをおもいました。
まだ、子どもたちとは読んでいませんが
こころの落ち着いた時間に
読んで聞かせたいと思います。 (よにんこママさん 30代・ママ 男の子8歳、男の子6歳、女の子4歳、女の子1歳)
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