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大きくて強くて勇ましくて知恵のある女の子が、村の人たちを困らせていた大グマを退治します。 ユーモアたっぷりの愉快なお話が、ダイナミックに描かれています。 読むと元気と勇気がわいてくる絵本です。
これは、ゆうかんで 力もちで ちえのある 大きな女の子の おはなしです。
というように、1815年にアメリカで産まれたアンジェリカは、2歳で丸太小屋を作り、12歳で幌馬車を泥沼から救い出す。ある夏のこと、「じごくのならずもの」と言う大きな熊がやってきて、テネシー中の貯蔵庫の食べ物を食べてしまった。「じごくのならずもの」を倒した者には、この熊のでっかい毛皮を与えられることになった。かくしてアンジェリカは、この熊と戦うことになる。
勿論、壮絶な戦いの果てに、熊はあの世に行き、皆で熊汁を食べ、貯蔵庫は一杯になり、アンジェリカは、大きな熊の毛皮を手に入れる。本物の木を削った薄い板に描かれた絵が、ちょっと昔のアメリカを彷彿とさせるいい味を出している。アンジェリカも時にコミカルだったり、意地悪な表情になったりと丁寧に描かれている。
読み聞かせには少々長い物語だが、これ以上あり得ない程の大きなスケールは、小さな子も大きな子も夢中になる。読み方によっては、ジェンダー(社会的、文化的に形成される男女の差異。)を語るときにも、有効な作品であり、高学年や大人向けの読み聞かせにも使えそうな、貴重な一冊である。 (ラムさん 40代・ママ 女の子8歳、女の子7歳)
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