ひとりの少年を通して描く、3月11日のこと。
2011年3月11日に発生した東日本大震災。津波の恐怖、ひとりぼっちで迎える不安な夜、そして家族との再会――と、 ある少年が体験した「あのひのこと」を軸に、家族の絆に支えられ、希望の光を見出すまでを繊細なタッチで描きます。 想像をはるかに超える恐怖と不安を経験した少年が見つけた“希望”とは……? 家族の愛、絆の深さ、尊さに改めて気づかせてくれる作品です。英訳付き。
●ここがポイント ・東日本大震災の絵本 ・家族の絆の大切さ ・いのちの尊さ
●編集者から 2011年3月11日は、私たちにとって生涯忘れられない日となりました。 大地も人も動物も、そして社会も生活も、深く傷つきました。
「この苦しみをいかにして乗り越え、生き続けるか――」。 このことについて、著者の葉祥明さんと何度も話し合い、ひとりの少年にメッセージを運んでもらうことにしました。 少年が見たこと、感じたこと、そして最後に見い出す希望とは……?
美しいパステルカラーの印象が強い葉祥明さんですが、 今作品では、今までのイメージとは異なる画風も披露しています。 今作品を通して、ひとりでも多くの人が希望の光を見い出してくだされば幸いです。
あの東日本大震災を葉祥明が描いたら、こうなるのですね。
あれはとても悲しい現実でした。
葉さんは、葉さんの世界で、あの災害を語っています。
オブラートにくるんだような風景画。
生々しさがないというか、霧の向こうに見える風景のような描写は、
残念ながらインパクトのところでは弱さを感じます。
でも、それが葉さんの描き方なのです。
オブラートは溶けていくと、後からじんわりと、しかも奥深く効いてきました。
語られていることは、津波の恐ろしさ、被災者の悲しみと精神的負担、それでも海が好きだという思い…。
主人公を置きながら、いろいろな経験、思いを繊細に描き切っていると思います。
読んで感じるという絵本ではなさそうですが、効果音楽のようにひしひしと伝わってくる、
葉さんならではの、「あのひ」の絵本です。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子15歳)
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