なんだかまた面白い絵本が登場しましたよ。その名も「ぎょうれつ」。 うわあ、確かに並んでる並んでる。1ページ目からすごい人の数!! 「なんのぎょうれつ?」 「さあ。」 …まあ、ぎょうれつができるくらいなんだから、きっと珍しいものが待っているんだよね。 画面をぐるぐるうねる列と一緒にページを進んでいくと。それはもう、珍しくて面白い観光スポットがたくさん登場!雷門に等身大ロボットにスカイツリー。 あれ、でも関係ないの? 横をすり抜けてぎょうれつはどんどん続きます。 美味しそうな料理、世界一長い建物、砂漠に佇むピラミッド、真っ白な氷…なんか、このぎょうれつ世界中を股にかけている気がするのは気のせいかな。 追いかけても追いかけても、全然とぎれない人の列。一体何人の人が並んでいるというのでしょう。そして長い道のりにも、環境の変化にも、耐え抜いたその先に待っていたものとは!?
この絵本、人がひたすら並んでいるだけだというのに、見所は本当にたくさんあるんです。 どんな人が並んでいるのか、何を思って並んでいるのか、列はどんな風に出来ているのか、 次はどんな場所で並ぶのか、どんな会話をしているのか。 ページ毎に列の始まりと終わりを探すだけでも、すっかり夢中になっちゃいます。 ぎょうれつに夢中にさせられるなんて。こんな苦行が面白そうに見えちゃうなんて…。 どうしてこんなアイディアを思いついたのか、作者の中垣さんに聞いてみたくなりますね。
そうだ!今度ぎょうれつに出合った時は、この「ぎょうれつ」を持って並んでみようかな。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
細かくかきこまれた行列を楽しむ
あれ、なんのぎょうれつ? 並んでみたら思っていたよりもずっと長かった!細かく書きこまれたたくさんのおもしろい人たちのぎょうれつを楽しむ絵本。
行列ができていると、あまり考えることなくならんでしまう私。
きっと素晴らしいことが待っていると勝手に想像してしまう私。
いい加減くたびれてきても、これまで待ったのだからもう少し我慢しようと、自分に言い聞かせる私。
子どもたちが飽きてきても、子どもたちが泣いても、それ以上のしあわせで名誉回復を願う私。
ついついタイトルにつられて手にした私。
ページを追っていきながら、なんだかナットクしている私。
でも、よ〜く考えたら、何の意味もない行列。
いろいろな人のあれこれを考えながら、次からは並ぶ前に何の行列か確かめてからならぼうと思う私でした。
ならんだ先の腕相撲大会。
中垣さん、サイコーです。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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