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金曜日の砂糖ちゃん

金曜日の砂糖ちゃん

  • 絵本
作・絵: 酒井 駒子
出版社: 偕成社 偕成社の特集ページがあります!

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税込価格: ¥1,540

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作品情報

発行日: 2003年10月
ISBN: 9784039652409

出版社のおすすめ年齢:中学生〜
19cm×14cm/61ページ

出版社からの紹介

今、注目の絵本作家、酒井駒子が新境地を開く意欲作。「金曜日の砂糖ちゃん」「草のオルガン」「夜と夜のあいだに」3篇を収録。

ベストレビュー

子どもの世界の光と闇

娘にはお話を理解してもらう、というよりは何かを感じてもらうしかないのかもしれません。

大人にとっても、このお話をうまく説明することはできません。
ただ、この絵本に描かれている世界にある光と闇を感じてもらいたい。

この絵本は、3つのお話から成り立っています。

「金曜日の砂糖ちゃん」

どうして、金曜日の砂糖ちゃんなのかは分かりません。ただ、とてもかわいらしい名前、一度聴いたら忘れない名前。

昼間なのに、色のない真っ暗な世界で、金曜日の砂糖ちゃんは眠っています。
この女の子は、一人ぼっちで、ただ静かに眠っていて、もしかしたら、死んでいるのかもしれない。
小さなカマキリは、周りの動物から女の子を守ってくれているようです。
そのうち、お母さんが女の子を起こしにきます。カマキリだけはカマを振り上げたまま残っています。
また、女の子が眠ったときに、あちらの世界に連れていかれないように、でしょうか。


「草のオルガン」
さみしくて、つまらないことがあったから、男の子はいつもと違う道をとおって帰ってみる。
こんな場所もあったんだ、そこにあったのは草の中のオルガン。
弾いても音はならないのに、動物は集まってくる。
その世界に引き込まれていく少年を助けるように、黄色いヘルメットをかぶったおじさんが、現実の世界に引き戻す。

へびに会わなくてよかったね、と少しほっとする。


「夜と夜のあいだに」
”夜と夜のあいだ”それはどんな時間なんだろう?
真っ暗で、皆眠っているけれど、昼でも夜でもない、いつもと違う世界。
そのなかで、子どもが一人、白い母親の衣装を着て、それきり戻ってはこない旅立ちをする。
ここにも、やはり感じるのは死の匂い。

子どもは、案外簡単にその入り口を見つけてしまう、その暗闇に近い存在なのかもしれない。
そんな美しい暗闇が、ここに美しい絵として描かれている気がします。
(lazy_planetさん 30代・パパ 女の子4歳)

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