内容紹介 ぼくはこんなにきれいなのに、どうしてだれにもすきになってもらえないんだ? にじいろにかがやくうろこをもった、世界でいちばん美しいさかなは、ひとりぼっちでさみしいさかなだった。ある日、にじいろのさかなは、なやみをひとでにうちあけた。
著者紹介 ■マーカス・フィスター(まーかす・ふぃすたー) ■谷川俊太郎(たにかわしゅんたろう) 【マーカス・フィスター】 1960年、スイスのベルンに生まれる。高校卒業後、ベルンの美術工芸学校の基礎科に入学。その後、グラフィック・デザイナーとして1981年から83年までチューリッヒで働く。カナダ・アメリカ・メキシコを旅行ののち、帰国後はフリーランスのグラフィック・デザイナー、イラストレーターとして活躍している。妻との間に男の子が2人、女の子が1人いる。おもな作品に『ペンギンピート』シリーズ、『うさぎのホッパー』シリーズ、『にじいろのさかな』『クリスマスのほし』などがある。1993年、『にじいろのさかな』でボローニャ国際児童図書展エルバ賞を受賞。
【谷川俊太郎】 1931年、東京に生まれる。高校卒業後、詩人としてデビュー。1952年第1詩集『二十億光年の孤独』(創元社)を刊行。以後、『定義』(思潮社)、『女に』(マガジンハウス)、『ことばあそびうた』(福音館書店)、『はだか』(筑摩書房)、『世間知ラズ』(思潮社)など多くの詩作がある。ほかにレコード大賞作詞賞受賞の「月火水木金土日の歌」、テレビアニメ「鉄腕アトム」の主題歌などの作詞、『スイミー』(好学社)などレオニの絵本や『マザーグースのうた』(草思社)、『スヌーピー』(角川書店)の翻訳など、幅広く活躍。1975年、『マザーグースのうた』で日本翻訳文化賞を、1988年、『はだか』で野間児童文芸賞を、1933年、『世間知ラズ』で萩原朔太郎賞を受賞。
私がはじめてこの本に出会ったのは、もう10年以上前、アメリカの本屋さんでした。まだ日本語訳が出る前だったと思います。
表紙の綺麗さに思わず手に取り、中に目を通してかわいらしいお話だなーと思ってすぐに購入しました。
当時はまだ結婚もしていなかったため、純粋に自分のために買った絵本です。
その後結婚し子どもが生まれ、この本の日本語訳本に図書館で再会。
久しぶりに読み直してみると、、、やはり、自分の立場が変わり、年齢を重ねると、同じ本でも感じ方が違うんだなということを実感しました。
当初私が思ったのは、、、
苦労せずに手に入れた美しいもの。それを周りに分け与えることで周りと仲良くなれるならなんの惜しいことがあるだろうか。
それに気づいたにじうおは一つ大人になったんだね、ということでした。
今回改めて読み直してみると、にじうおが自分の息子に、そして他の魚達が息子の友達に思えてきて。
たまたま生まれ持った綺麗なうろこ。それは天賦の才能かもしれない。
それを、うらやんだ友達に分け与える必要があるのかどうか。
まして、分け与えないと仲間はずれにされちゃう・・・
それってちょっと不条理なんじゃないかな、って。
でも、どちらの考え方もあると思うんですよね。
「綺麗なうろこ」をどうとらえるか次第ですね。
実際、息子はこの本を読んだときには、「ぼくもウロコを分けてあげたほうがいいと思うよ〜!最初のにじうおは意地悪だったね」と言っていました。
内容もいろいろ考えさせられるお話ですし、とにかく挿絵が綺麗ですので、ぜひ一度手にとって読んでいただきたい絵本です。 (あんれいさん 40代・ママ 男の子6歳)
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