世界26か国の食べものを紹介した、楽しい大判絵本!
絵本紹介
2023.07.21
夏は夜空を見上げることが多いような気がします。旅先で、キャンプで、お祭りや花火大会の帰り道で、ふと星空を眺めること。その先にあるだろう宇宙を、遠くにぼんやりと感じること。
一方、ニュースでは、宇宙についての最新情報を目にすることが増える日々。国際宇宙ステーションの様子や民間企業が実施した宇宙旅行の話を聞くと、急に宇宙を現実的に感じたり。技術の躍進で、私たち人類と宇宙との距離は着実に近づいているのを感じます。
みなさんにとって、宇宙はどんな存在ですか?
近い? 遠い? 未知で無限? 実態や輪郭がある? 見果てぬ夢? 生きている間に一度は旅行できそう……? 人それぞれに、さまざまな宇宙観、宇宙への思いがありそうです。
今回ご紹介する「宇宙に思いを馳せる絵本」では、登場人物や作者の目線を通して、さらにいろいろな宇宙の姿に出会えると思います。
本からのアプローチで、あなたにとっての宇宙がさらに広がりますように。
みどころ
「ちゃくりく、せいこう!」
今日は遠足です。
宇宙ステーションを飛び立って、着陸したのは、なんと…月!
クレーターから見えるのは、きれいな地球。
はじめて見る子ども達は大喜びです。
おや、でも一人……お絵描きしている間に寝てしまった子がいるようですよ。
そして、気が付くと置いてけぼり!?
しょうがないから、また一人クレヨンで絵を描いていると、うしろから誰かが絵をのぞきこんできて……。
「宇宙遠足」!!
子どもたちが、こんなに気軽に月面に降りたち、お絵描きなんてしたりして。
おまけにあわて者の先生が、一人忘れて置いてっちゃって、
かけた言葉が「ごめん、ごめん」。
えーーー!?
月面着陸って、もっと大袈裟で仰々しい出来事なんじゃないの?
だけど、もしかしたら。
あと100年も経たないうちに。
こんな世界がやってくるのかもしれない。
宇宙船も、宇宙ステーションも、宇宙服だって、かっこいいけど、とってもカジュアル。
なんだか登場する宇宙人もへんてこりんだけど愛らしい。
やり取りだって、ちょっとバカバカしい。
ああ、いいなあ。
とっても夢がある。
今年2019年は人類が月面着陸に成功してから50周年イヤー。そんな年に発売されたこの絵本は、言葉は多くないけれど、見れば見るほど、想像すればするほど夢が広がります。そして、とっても笑えます!
この書籍を作った人
訳書に、アントワネット・ポーティス作『まって』(日本絵本賞翻訳絵本賞:あすなろ書房)など。
出版社からの内容紹介
読んでいる間も、本を閉じた後も、豊かな気持ちになる、真夜中の物語。
眠れなくて不安な夜、窓の外のお月様に「あそぼうよ」と声をかけてみると、星形の釣り針がついた糸がするするとおりてきて、眠れないお友だちがつぎつぎとあつまってきました……。2020年の国際推薦児童図書目録『ホワイト・レイブンズ』に選定された、韓国の新進気鋭の絵本作家による最新作!
言葉にしなくても 相手のことを 理解しようとする 大切な 気持ちを 描こうと しました。
世の中の すべての「ひとり」が 集まって、 思う存分 遊んで
その力で ぐっすり寝られることを 願っていますーーキム・サングン
みどころ
木々が高く茂り、星を100個も数えられる広い空。ほうきぼしだって見たことがある! 毎日パパと一緒に学校から帰って、おいしいごはんや素敵なお話をつくったり。朝は日の出を見て、夜は波の音を聞きながら眠る。
これが、わたしのおうち。
でもパパが新しい仕事を探すために引っ越すことになったのは、街。見えるのは灰色の建物と星がたったの7つ。パパはパソコンに向かって仕事ばかり。通りは人混みで何にも見えないし、眠る時に波の音も聞こえない。
……ここは、わたしのおうちじゃない。
大好きだった家を離れ、新しい土地で生活をスタートすることになったレイラ。急におとずれた大きな環境の変化にすぐには気持ちが追いつかない。その戸惑いに胸の奥がキュッと痛みます。
大人の立場だと、新生活を軌道にのせるために気力を奮い立たせてひたすら進まなくちゃいけない。立ち止まるのを忘れてしまうパパの気持ちも、痛いほどわかるのです。
作者のジョー・トッド=スタントンは、今、最も勢いのあるイギリスの若手作家の一人。レイラやパパの心の揺れを、コマ割りで繊細に表現しています。本の中から飛び出してきそうな鮮やかで躍動感あるイラストレーションが印象的です。
ある夜、新しい家からも見えたほうきぼし。地球に落ちて、光の木になったほうきぼしが放った魔法はーー。
レイラの気持ちに寄り添いながら、目の前に広がる幻想的な世界を味わいながら、親子の時間をゆっくり見守ってください。優しく温かなクライマックスが待っています。
この書籍を作った人
絵本作家、イラストレーター。イギリス南部のブライトンで生まれ育ち、西イングランド大学ブリスタル校でイラストレーションを学ぶ。現在ロンドン在住。邦訳された絵本に『いっぴきぐらしのジュリアン』(岩崎書店)『エリンとまっくろ岩のひみつ』(評論社)がある。
この書籍を作った人
翻訳家。英米の絵本・物語を手がける。おもな訳書に『魔女学校の一年生』『まいごのまいごのアルフィーくん』『アンナの赤いオーバー』『ねえ、どれがいい?』『コロちゃんはどこ?』『せかいのひとびと』など多数。
出版社からの内容紹介
ルルン=ナンダーという天使が天界から、過て地上に堕ちてしまう。
天に戻ろうとするが帰れずにいたところに、ロンという少年と出会う。
ロンとルルン=ナンダーは一緒に暮らすようになるが、ある時から、ロンがルルン=ナンダーに厳しく仕事を言いつけるようになる。
ルルン=ナンダーが仕事をこなすようになってからしばらくたったある時、
ロンは、突然ルルン=ナンダーに別れを告げる。
「結婚するから出ていってくれないか」と。
ロンのことを好きだったルルン=ナンダーは、悲しみを抱えながらどこまでも飛んでいった。
すると気がつけば、天界まで来ていた。ロンに言いつけられた仕事をこなしていたルルン=ナンダーにはいつの間にか、天まで飛ぶ力がついていたのだ。
そこで初めてルルン=ナンダーはロンが自分のためを思って仕事を言いつけていたのだと気づく。
そして、ロンはルルン=ナンダーを天へ帰すために、結婚すると嘘をついたのだった。
この書籍を作った人
1919年高知県生まれ。東京高等工芸学校図案科卒業。高知新聞記者、三越宣伝部のグラフィックデザイナーなどを経て独立。漫画家として活動する。1973年最初の絵本『アンパンマン』(フレーベル館)を刊行。『アンパンマン』は人気が高まりアニメ化され現在も子ども達に大人気キャラクターとして広く知られている。また同時期に雑誌「詩とメルヘン」(サンリオ)を創刊し、30年間編集長を務めた。主な作品に絵本『やさしいライオン』『チリンのすず』(フレーベル館)、作詞に『手のひらを太陽に』『それいけ!アンパンマン』など。90年、勲四等瑞宝章受賞。95年、日本漫画家協会文部大臣賞受賞。日本漫画家協会理事長。
みどころ
ママが真夜中にぼくたちの部屋のドアを開け、ささやく。
「やくそく、おぼえてる?」
ぼくたちは、おしゃべりもせず着がえ、家族4人で玄関を出る。夏の夜は静かで、アヤメとスイカズラのにおいがする。窓のあかりが輝く大きなホテルの横や、ぼんやりと灯る町はずれの家の前を通りすぎ、どんどん歩いていけば、やがてそこは山のふもと。暗さに目が慣れてくると、感覚がどんどん研ぎすまされていくよう。木の皮のにおい、枯れ枝がぽきりと折れる音、さわさわと揺れる大きな木々の葉っぱ。
家族4人で訪れる夜の森。そこにあるのは、特別な体験。湖に映る月。草むらに寝っころがって見上げる星空。険しい山道。そして……。
深く美しい、青い景色で始まるこのお話。照らされているのはほんの一部。その暗さはずっと続く。それでも目を凝らしていけば、何もかもがしっかり見えてくる。家族と一緒だからこそ、わくわくできる真夜中の時間。こんな冒険ならしてみたい!
フランスから来たこの絵本。たとえ冬だとしても、昼間だとしても、こんな景色が身近になかったとしても。読み終われば、まるで一緒に体験したかのような清々しい気分に。最後のページのまぶしさを味わいながら、少し計画を立ててみようかと考えてしまいますね。
この書籍を作った人
フランスのストラスブールで装飾芸術を学ぶ。その後、作家・イラストレーターとして、児童書に携わる。2019年に、本作“NOUS AVONS RENDEZ-VOUS”でフランスの名高い文学賞、ランデルノー賞(子どもの本部門)を受賞し、フランスの児童文学賞、ソルシエール賞のショートリストにも選出された。
この書籍を作った人
青山学院大学文学部英米文学科卒業。やまねこ翻訳クラブ会員。絵本の翻訳に『おばけやしきなんてこわくない』(国土社)、『神々と英雄』『ころころコアラちゃん』(大日本絵画)、『クララ』『介助犬レスキューとジェシカ』『カールはなにをしているの?』(BL出版)など多数。東京都在住。
出版社からの内容紹介
復刊リクエスト急上昇!!
多くの皆様からのリクエストに応え、『つきよにごようじん』がついに復刊決定!
谷山浩子さんが歌い、NHKみんなのうたでも放送された「まっくら森の歌」。
不思議な歌詞と、谷山さんの歌声に惹きつけられ、多くの人の心にいまでも残り続けている名曲です。
その世界観に近い絵本として、多くの方の記憶に残るのが、このたび復刊される『つきよにごようじん』です。
夜のパトロールに出かける森の番人。
雲間がくれの月あかり。
暗闇から何かがじっと見つめている。
昼間は愛らしかった動物たちが、夜には鋭い牙と爪を持ったモンスターに変身。
がさがさがさ……ひたひたひた……。
追うものと追われるもの……いつの間にやら追われるものが追うものに。
月夜にごようじん。
1987年6月に福武書店(現:ベネッセコーポレーション)より刊行され、その後は残念ながら長らく絶版になったままの状態が続いていました。
このたびの復刊化では、本作品の作画を担当し、この世界観の生みの親ともいえる絵本作家・本橋靖昭が所有する貴重な原画を丁寧にスキャンし、新たに版を起こします。
36年ぶりによみがえる、時代を超えて読み継がれる、とても不思議で印象的な世界。
ぜひ、ご家族でお楽しみにください。
出版社からの内容紹介
ドイツの人気絵本作家、ブリッタ・テッケントラップのしかけ絵本。わたしたちが ねむっているあいだも つきはかがやく そして みんなを てらしている。
月明りのもと、森で、草原で、海で、空で……さまざまな場所に暮らす生き物たちを優しい文章と美しいイラストで描き上げた、詩情豊かな絵本です。
★型抜き&キラキラ加工★穴あきのしかけから月が見えます。月はページをめくるたびに形を変えていきます。表紙や本文の月には、キラキラ輝く、ラメ加工がほどこされています。
担当者コメント:月の光は、いついかなる時も、どの生き物にも等しく降り注ぎ、その生き方を優しく照らしだしてくれる…月の満ち欠けを追いながら、広い世界を感じることのできる一冊。
この書籍を作った人
ドイツハンブルグ生まれ。ロンドンのセントマーティンズ・カレッジ・オブ・アート、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学ぶ。子ども向け絵本および挿絵の分野で活躍しており、絵画展も多数開催されている。共にアーティストである夫、息子と一緒にベルリンで暮らしている。
この書籍を作った人
埼玉県生まれ。詩人、絵本作家。詩集に『ひつじがいっぴき』(フレーベル館)、『五つのエラーをさがせ!』(大日本図書)。創作絵本に『しきしきむら』シリーズ(岩波書店)、『おはようきょうりゅう』(教育画劇)、『ちょろちょろかぞく』シリーズ(理論社)、『はたらくんジャー』(フレーベル館)、『からだのなかでドゥンドゥンドゥン』(福音館書店)、『なになになあに?』(フレーベル館)。絵本の翻訳もてがけ、クリス・ホートン作『どうする ジョージ!』で第62回産経児童出版文化賞翻訳作品賞を受賞。『クマのパディントン』(理論社)、翻訳絵本に『ヨゼフのだいじなコート』(フレーベル館)、『ともだちからともだちへ』(理論社)、『ピッツァぼうや』(セーラー出版)、『ぜったい食べないからね』他多数。
出版社からの内容紹介
発明家のパパが発明したワープマシンで宇宙の果てめざして大冒険! 広大な宇宙に広がる洗剤の泡みたいなものはいったい……!?
最新の宇宙を大公開! 量子力学の研究者が本物の知識を子どもたちにつたえます!
出版社からの内容紹介
人気の迷路が宇宙に進出! ロケットに乗り込んで、さあ、旅立とう! でも、ロケット発射場も、宇宙ステーションも、航路も、宇宙人の星も、惑星の配列も……行く手はすべて迷路になっています。無事に宇宙を進んで行けるかな? 驚きとユーモアたっぷりの楽しい迷路です。迷路ページだけでなく、答えのページもカラーで分かりやすい、大型の迷路絵本です。迷路は本のうしろに行くに従ってだんだんと難しくなります。
この書籍を作った人
弘前大学人文学部卒業。旅行会社勤務、雑誌のライターなどを経て翻訳者に。訳書に「ランプの精リトル・ジーニー」シリーズ(ポプラ社)、「ジュディ・モードとなかまたち」シリーズ(小峰書店)、『ノエル先生としあわせのクーポン』(講談社)、『キリエル』(あかね書房)、『ルルとブロントサウルス』(小学館)などがある。宮城県出身、東京都在住。
みどころ
おまつりの夜、少年ジョバンニがひとり町のはずれでどこからともなく聞いたのは、汽車の音と「銀河ステーション」というふしぎな声。気がつくと目の前には親友カムパネルラが座っており、ふたりは一緒に小さなその鉄道にのっていたのです。
銀河をかけぬけていくその列車、ふたりの少年はどこへ向かっているのでしょう。幻想的な景色や出来事を目にしながら、ジョバンニは幸せについて、生きる事について考えるのです。やがて、そこらが一ぺんにまっくらになったかと思うと・・・。
宮沢賢治の作品といえば、誰もが最初に思い浮かべるであろう名作「銀河鉄道の夜」。
たくさんの人が読み、たくさんのイメージが生まれ続けているこの童話ですが、また新たな世界を見せてくれる傑作絵本が誕生しました。
独特の世界観で描かれたこの童話に小学生の時に出会い、以来十代の終わり頃から50年の時をかけて「銀河鉄道の夜」のビジュアル化を目指して制作を続けられたというのは金井一郎さん。
絵本を開くと広がっているのは、見た事のないような表現。その不思議な世界は幻想的であり、銀河を想像させてくれます。まさに現実と空想、生と死のはざまを表しているかのようです。
「翳り絵」と呼ぶその手法は穴をあけた黒いラシャ紙から浮かびあがる光の粒の集積によって表現されたもの。
宮沢賢治のこの物語が、こんなに奥深く美しい世界を生み出してしまうのだから、やはり驚いてしまいます。初めて出会う子どもたちも、何度も読んできた大人も、じっくりと味わい読み込んでもらいたい1冊です。
この書籍を作った人
1896年岩手県花巻市に生まれる。盛岡高等農林学校農芸化学科卒業。十代の頃から短歌を書き始め、その後、農業研究家、農村指導者として活動しつつ文芸の道を志ざし、詩・童話へとその領域を広げながら創作を続けた。生前に刊行された詩集に『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』がある。彼の作品の殆どは没後に高く評価され多数の作品が刊行された。また、何度も全集が刊行された。1933年に37歳で病没。主な作品に『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』『ポラーノの広場』『注文の多い料理店』『どんぐりと山猫』『よだかの星』『雪渡り』『やまなし』『セロひきのゴーシュ』他多数。
出版社からの内容紹介
「ホーキング博士のスペース・アドベンチャー」シリーズに収録されていた「科学コラム」等を、バージョンアップしてテーマ別に再構成。
新規の「科学エッセイ」が4本追加されている他、アインシュタイン、ハッブル、ニュートン、ガリレオ、ダーウィン、ボルツマン、シュレーディンガー等、関係する科学者の紹介、用語解説なども加わり、宇宙を目指す子どもの入門ガイドブックとしてより充実しています。
2019年に世界で初めて直接撮影に成功したM87星雲の「ブラックホール」を含む、美しいカラー写真も16ページ収録!
またとない最新宇宙ガイドブックです!
この書籍を作った人
東京生まれ。出版社勤務を経て、翻訳家・編集となる。JBBY会長、「アフリカ子どもの本プロジェクト」代表。青山学院女子短期大学教授。著書に『エンザロ村のかまど』(福音館書店)、『どうしてアフリカ? どうして図書館?』(あかね書房)など。アフリカ系アメリカ人を主人公にした絵本の翻訳に『ローザ』『わたしには夢がある』『つぼつくりのデイブ』『かあさんをまつふゆ』『むこうがわのあのこ』『川のうた』『リンカーンとダグラス』(以上光村教育図書)、『ひとりひとりのやさしさ』(BL出版)、『きみたちにおくるうた』(明石書店)、『イライジャの天使』(晶文社)、『ふれ、ふれ、あめ!』『ぼくのものがたり あなたのものがたり』(以上岩崎書店)、『じゆうをめざして』(ほるぷ出版)などがある。翻訳で産経児童出版文化賞、日本絵本賞、ゲスナー賞などを受賞している。訳書に『ゆき』『シャーロットのおくりもの』(ともにあすなろ書房)、『くらやみのなかのゆめ』(小学館)、『ひとりひとりのやさしさ』『やくそく』(ともにBL出版)など多数。
文:竹原 雅子 編集:木村 春子