ドーナツぱくぱく、ケーキをもぐもぐぺろりんこ。 「おやすみなさーい」 あれ、まあちゃん、歯みがきしてないけど・・・ いいのかな、いいのかな?
まあちゃんが大好きなお菓子を食べっぱなしで寝ている間、誰かが口の中でぴょこっと顔を出したよ。 「ジャジャーン! むしばあちゃんだー!」 あれ、ちょっと予想と違うその姿。むしばあちゃんは、なんだかとっても清潔で優しそう。昼間は耳の中で眠っていて、夜になると、口の中をきちんと掃除してくれるんですって! むしばあちゃんは悪いばあちゃんじゃないんだね。 まあちゃんの口の中も、ほら、すっかりぴかぴかです。 まあちゃんが虫歯にならなかったのは、むしばあちゃんのおかげだったのです。
でも。でもね・・・。 もし、まあちゃんがずっと歯みがきをしなかったら。 掃除しても、掃除しても、どんどん汚れがひどくなるばかりだったら。
「えーい、もうやめじゃ、やめじゃあ」
大変、むしばあちゃんが「あばれむしばあちゃん」に変身した!! 顔をまっ赤にして、大きなたいこをうりゃうりゃどんどん打ち鳴らす! こうなったらおしまいだ。まあちゃんの虫歯はどんどん、じんじん痛くなる。 「うえーん うえーん いたいよー」 さらに、もしまあちゃんが大人になるまでずーっとずーっと歯みがきをしなかったら、今度やってくるのは・・・?
みんなが知っておきたいことは、「歯は一生の友だち」ってこと。 大事な大事な自分の歯。大切にしないと、むしばあちゃんを怒らせないようにしないと、大人になった時に大変なことになっちゃうよ。ちゃんと歯みがきしなくちゃね。 脅かすだけじゃない、苅田澄子さんの文章とおかべりかさんの絵は、明るくて面白くて、でもすごく虫歯の怖さを実感できる絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
みんなの口の中には「むしばあちゃん」がいる。みんなが寝ている間に、歯をピカピカに掃除してくれるんだ。でも、お菓子ばかり食べて、ちゃんと歯みがきしないと、「あばれむしばあちゃん」に変身するぞ! そうすると、虫歯がどんどん痛み出して、こわーい歯医者さんに連れて行かれるんだ。だからむしばあちゃんを怒らせないように、ちゃんと歯みがきしようね……。「歯は一生の友だち」と実感できる、楽しくてためになる絵本です。
昔ながらのお年寄りの部屋といった感じで大変好感が持てました。普段温厚な方がきれると怖いよというのもこのお話で痛感しました。むしばあちゃんといればあちゃんのキャラクターが対照的なのもいい。私自身を戒める為にも何度でも読みたいと思いました。 (梅木水晶さん 30代・ママ 女の子6歳、男の子4歳、女の子1歳)
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