おばあさんのお葬式から帰った山下が言った。「死んだ人って、重たそうだった」 すると河辺が身を乗り出した。「オレたちも、死んだ人が見たい!」 ぼくたち三人は、「もうじき死ぬんじゃないか」と噂されている、ひとり暮らしのおじいさんを見張りはじめた。だけど、見られていることに気づいたおじいさんは、だんだん元気になって、家や庭の手入れを始めた。やがておじいさんと口をきくようになったぼくたちは、その夏、さまざまなことを知った・・・。 十二歳の少年たちの忘れがたい夏を描き、世界の十数カ国で話題を呼んだ作品。
児童文学者協会新人賞、児童文芸新人賞、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ミルグレッド・バチェルダー賞等受賞。
小学生最後の夏休みを、様々な体験をして過ごす少年たちのお話。
一人暮らしのおじいさんとの出会いによって、この少年たちはこの夏を決して忘れられないものとします。
最初のうちは演技の悪い話だなと、少々ひきぎみの私でした。
おじいさんの「死」を見るために、少年たちは張り込みをするのですから。
それでも次第に距離を縮めていく少年たちとおじいさんに、夢中になっていきました。
元気になったおじいさんは、きっと少年たちに不思議な力を与えたもらったのでしょう。
そしておじいさんもまた少年たちに多くのものを与えていきます。
そんな中で一番教えたかったのは「めいいっぱい生きる」ということだったのかもしれません。
少年たちの元気のよさ、けなげさ、一生懸命さが光るこの作品。
寂しさを乗り越え、前向きに生きていこうとする少年たちの姿に、力をもらいました。 (こりえ♪さん 30代・ママ 女の子2歳)
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