ソフィーとお母さんが台所でお茶の時間にしようとしていました。すると突然、玄関のベルが鳴り……、そこにいたのは毛むくじゃらの大きなとら。「ごめんください。ぼく、とてもおなかがすいているんです……。お茶の時間にご一緒させていただけませんか?」。とらが礼儀正しくお願いすると、「もちろんいいですよ」とお母さん。こうして、ソフィーたちはとらと一緒にお茶をいただくことになりました。でも、とらは大きいし、おなかをすかせていたので、テーブルの上のサンドイッチやパン、ビスケット、ケーキだけでなく、家にある食べ物をすべてをたいらげてしまい……。
ある日突然、オレンジ色と黒の縞模様のとらが家にやって来たらどうします? それも礼儀正しく丁寧に「お茶の時間にご一緒させていただけませんか?」なんてお願いしてきたら……。ソフィーとお母さんは慌てることなく、お客様としてとらをもてなし、一緒にお茶を楽しみました。とらが、作りかけの夕ご飯や冷蔵庫の食料、棚の缶詰めもみんな食べてしまったにもかかわらず、ソフィーたちはとらと和やかに別れ、まるで何もなかったかのよう。一大事であるはずのできごとが、このお話では平穏の中に終結する――その異常の平常さが状況のおかしさを誘っています。 お父さんが帰宅し、ちゃんと問題を解決してくれる場面に心が温まります。ごく日常的な英国の家庭風景を垣間見ることができるのも、この作品の魅力。うちにもとらが来るかもしれない……、そんな期待を抱かせてくれる終わり方には広がりがあり、想像力をかきたてられます。 1968年の初版以来、世界で300万部を売り上げ、もっとも人気のある絵本作品のひとつと言われています。 ――(ブラウンあすか)
「おちゃのじかん」という海外の風習をベースにしたものがたり。
お茶とクッキーとケーキとサンドイッチがならぶお茶の時間。
牛乳屋さんや雑貨屋さんが配達にきてくれる、という風景も
身の回りにはないので、こどもたちには新鮮だったようです。
おかあさんも、おんなのこも、とても素敵な色使いの服を着ていて
デザイン的にも見ていてたのしいです。
買ってしばらくは「おやつの時間」が「おちゃの時間」になりました、笑。 (OKIREMさん 30代・ママ )
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