ジェインの毛布は、ピンク色。ふんわりしていて、暖かです。赤ちゃんのジェインは、毎朝、目をさますと真っ先に毛布に触ってみます。ミルクを飲むときも、お遊びのときも、お昼寝のときも、いつもこの毛布といっしょ。夜、毛布がほっぺにくっついていれば安心して、すやすやと眠ることができました。 そんなジェインも1センチ、1センチ背が高くなり、もう赤ちゃん用のベッドは使わないほどに成長しました。一方、毛布は擦り切れてどんどん小さくなっていきます。
『セールスマンの死』で知られる米国人劇作家アーサー・ミラーが初めて子どものために書いた作品。赤ちゃんのときから愛用した1枚の毛布を背景に、女の子ジェインの成長を描いた幼年童話です。デッサンに優れたイラストが成長過程を表情豊かに描き、とても魅力的です。着色は薄い桃色の毛布のみで、見るからに柔らかそうな毛布とジェインの愛らしさを調和させています。擦り切れた毛布に愛着を残しつつ、新しい視点を見出すジェインに心から拍手を送りましょう。最後に毛布は1本の糸となって消えていくのですが、それはなぜ? すてきな結末が待っています。 ――(ブラウンあすか)
ジェインは、お気に入りのピンクの毛布を鳥に持っていかれ悲しみますが、毛布が赤ちゃん鳥の巣になることを知って?
娘は、ちょうど1年生。ジェインが「もーも」(毛布)を卒業したのと同じ歳です。
1冊の本として、誕生から就学までの年月を追ってみると、本当にその間にはたくさんのことがあり、子どもは大きく大きく成長したんだなぁ、ということが実感として伝わってきます。
瞬く間の日々・・・赤ちゃんのころのジェインを見ながら、娘もこんなに小さかったのかなあ、と不思議な気持ちさえしてきます。
我が家にも、娘が生まれたときから、今日までずっと大事にいているピンクの掛け布団があります。長さ1メートルほどの小さな布団ですが、新生児のころには、娘の体の丸みでふくらんでいる部分はほんのわずかで、とてつもなく大きな布団をかぶせてあるように見えたことを今もはっきり覚えています。
それが今では足を丸めても包みきれないくらい! でも、ソファの上でひざ掛けにしたり、ぬいぐるみに掛けてあげたりしています。
この本を読んで、真っ先に「Jのおふとんも、いつかはぼろぼろになる?」と問いかけた娘の目から見る見るうちに涙が溢れ出し、「大きくなりたくない・・・」と、声を上げて泣きじゃくりました。
多感な成長期の真っ只中にいる娘・・・長く伸びた脚をくるんと曲げて、久々に横抱きにしてあげました。
大きくなるって、うれしくもあり、さみしくもあり・・・なんですね。そんな繊細な感情を大切に描き上げているこの作品がとても好きです。 (ガーリャさん 40代・ママ 女の子6歳)
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