むかしむかし、あるおぼうさんがいろいろな国を旅して歩いていました。そんなある日、おぼうさんはたこの国へとやってきました。
おぼうさんは絵を描くのがだいすきです。ところが、墨がなくなって困っていたところ、たこきちというたこがやってきて、墨を出してくれました。その墨でおぼうさんが松の絵を描くと、その絵が飛び出してきたのです。
おどろいたおぼうさんでしたが、たこきちはなぜか涙を流していました。たこきちのおっかさんと兄弟たちが、おおだこにさらわれてしまったというのです。そこで、おぼうさんとたこきちは、おおだこがすむたこ島へと向かうことにしました。おぼうさんは、たこきちが出した墨で、すらすらっと船の絵を描きました。飛び出してきた船に乗って、ふたりは、たこ島へと船をこいでいったのですが……。
子どもから大人まで大人気の工藤ノリコ先生が描く、ふしぎな墨をだす「たこきち」とおぼうさんの愉快な旅の物語。
ひょんなことで出会った、旅の途中のお坊さんと、たこきち。
不思議な墨をもつたこきちと、絵を描くことが好きなお坊さんが、たこきちの家族を救うため、悪いおおだこに立ち向かいます。
お坊さんの機転にあっぱれ!ドキドキワクワクの救出劇、かなり楽しめました。
ラスト、観音様を描いた時は、思わず「おおおお〜」と声が出てしまいましたよ。観音様の絵でトドメをさすというところがいかにも“お坊さん”って感じで素晴らしい。
これはきっと続編が出るでしょうね。楽しみです!! (環菜さん 20代・ママ 男の子5歳、男の子3歳)
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