コンクリートのわれめや石垣のすきまに咲いているスミレを見つけたよ。種はどこから、どうやって来たのかな? 春の終わり、はじけたスミレの種を運んでゆくアリを発見! どうしてアリが種を運ぶんだろう? じっと観察していると、アリとスミレの知られざる協力関係がわかってきました・・・。 小さな植物と昆虫が織りなす不思議な世界を見つけたときの驚きを、みずみずしくあたたかい写実的な絵と、謎解き形式のストーリーで描いています。 不思議だな? と思うことから科学が始まります。不思議の解明のために観察をし、その観察をもとに考え、仮説をたて、そして立証してゆく。そのような“科学する”プロセスの楽しさを、身近な植物や昆虫を題材にしながら描き、子どもたちを科学の世界へいざなう絵本です。
今の季節にぴったりの絵本を娘が選んできました。
とにかく、絵がすばらしくて、すみれを初めとして春の花々が細かく生き生きと描かれています。思わず外に出て、すみれやたんぽぽを見てきたくなります。また、ありやはちなどの虫は、実物は動いているので、子供が詳しくみるのは難しいのですが、絵になっていると、さまざまな特徴がつかみ易いようでした。ありの腹には縞模様があることや触覚が思っていたよりも長いことに感動しました。
残念だったのは、すみれの種についている白い固まりの説明が不十分だったことです。あれだけ話題になっていれば、何なのかが気になるのですが、白い固まりとしか出てこないので、物足りません。これ以上は、自分でしらべてね!ということでしょうか。
日常の光景に科学があることを気づかせてくれた1冊でした。 (えっこさん 40代・ママ 男の子11歳、女の子8歳、女の子4歳)
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