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守り守られて残る
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投稿日:2021/08/09 |
コロナ禍、近年続く自然災害、近隣国との軋轢…
聖武天皇が憂えた危機感も
こんなふうであったのだろうかと想像します。
今日でさえ
大きな橋や超高層ビルを見ると
どうやって造るのだろうと感心しますが
コンピュータも重機もなかった天平のむかしに
よくもまあこんなに大きな仏像を!
と感嘆せずにはいられません。
君麻呂という偉大な設計者がいたこと
周りに土を積み上げ炉を移動しながら青銅を流し込んだり
頭部と手は別に作って鋳カラクリ法でつなげたこと等々
「なるほどそうやって」と頷くことばかり。
日本史の教科書には
743年大仏造立の詔が出され
752年に開眼供養の儀式が行われたことのみ載っていましたが
その後、頭がとれたり、大仏殿が焼失したり
修復や修理、再建を繰り返して
現在に至っていたのだと知りました。
建立されてから1300年もの間かわらず
人々を守ってくださってきたということであり
大仏さまもまた人々によって守られてきたのですね。
青春時代、一目惚れした仏像があります。
深い黒、限りなく慈愛に満ちたお顔―中宮寺の弥勒様。
吸い込まれそうになった記憶があります。
半世紀が過ぎ、親友から
その弥勒様に魅せられたと先日、便りが届きました。
私が出会った50年前からずっと同じ姿で私達を包んでくれていたのだ、いや実は50年どころか飛鳥時代からずっと人々の心を救ってきたのだと思い至りました。
そして私達がいなくなってからもかわらずに人々を癒し続けるのだと。
だから『ならの大仏さま』の中の
「大仏建立に関わりをもった人はつぎつぎに歴史から消えてゆきましたが、大仏は残ります。」の一節に感じるものがありました。
消えてはゆきますが、関わりをもった人々(許されるなら私達のように建立、造営に携わらなくとも心惹かれた人も含め)の思いも
残る大仏とともにあると信じたいです。
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なつかしさと新鮮さと
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投稿日:2021/06/19 |
このお話を読んだのは小学生の頃。
けっこうな厚さの昔話集の中に収められていて
カット程度の挿絵があるだけで。
それでも
♪さるのおしりはぬらしても じぞうのおしりはぬらすなよ♪は
囃子言葉のようなリズムで頭の中で広がって残り
私を愉快な気分にさせたのでした。
そうして今、こんなに楽しい絵で読めるなんて!
あの『かえるをのんだととさん』の斎藤隆夫さん
昔話にぴったりです。
おじいさんのなんと人のよさそうなこと!
さるたちは好奇心丸出しの表情。
神妙な顔で拝んでいたり
手に手に供える花を持っていたり
なかなか信心深そう。
だから、となりのじさまを川に放り込んだのも
怒ったというよりびっくりしたんでしょう?きっと。
はやしうたがおかしくて吹き出してしまったとなりのじさまも
よくある「となりの欲張りじいさん」とはちょっとちがって
憎めません。
あの昔話集を読んだ子供の頃を懐かしみながら
味のある絵にページの中、新鮮な風が吹きました。
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強さ
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投稿日:2021/06/04 |
息子が保育園児だった頃のこと。
「お母さんは女でよかった?」
「よかったよ。○○も女が良かった?」
「男でよかったよ。でもこんな男じゃ嫌だ」
「こんな男って?」
「……弱い」
当時、友達にキックやパンチをされて
されるがままでやり返せなかった息子に
力が強いのだけが強さじゃないんだよと話したけれど、
あの時この本があったなら
読んで聞かせてあげられたなら
どんなに勇気づけてあげられたでしょう。
人はたくさんの別れや
悔しい思い、思い通りにいかないはがゆさ、
悲しさや淋しさを経験しながら
人を好きになり、人を許すことを覚えて
初めて強くなれる。
その本当の強さがぐん太に石を持ち上げさせたのだと思います。
こぼれてどうしようもなかった涙と
「おおおおりゃあああ
どおおおりゃあああ
ど どうだああああ」
万感の想いがこもったかけ声が
ぐん太の強さの証です。
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いつか烏瓜のレースを
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投稿日:2021/05/21 |
私達が雑草と呼んでいる草に咲く小さな花の
なんと可憐なこと!
イヤリングにして耳に飾りたくなるほど。
その拡大写真は
万華鏡を覗いたようで魅了されます。
興味深いのは烏瓜の婚礼衣装。
みるみるひろがるレースを
是非1度見てみたい。
どこかにあったはずのルーペを探し出して
「さあ、庭へ野へ!」
そんな気持ちがふくらむ図鑑です。
野山の花が好きな親友の
今度の誕生日に贈ろうかな。
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あれっ?
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投稿日:2021/03/16 |
「物事を斜めにしか見られない」と言えば
偏った見方しかできないへそまがり といった意味合いで使われますが
こちらのねこくんの「ななめ」は
「ちょっと見方をかえてごらん」ってことですね。
物理的なななめだけではなく
立場や時や場所、気持ちの持ち様…
小鳥の傾げる首くらいにちょこっとななめにしたら
ちがった世界が見えてくる?
傾いた30度から45度は
「あれっ!?ちょっと違うんじゃない?」
の疑問の角度かもしれない。
ひとは
時間がもったいなかったり
自分に自信がなかったり
ひとりが不安だったりして
‘いつもどおり’や‘右へならえ’に走りがちだけれど
「そんなに急がないで!ちょっと立ち止まってみて」
「みんなと違っても大丈夫
自分の思いを曲げなくてもいいんだよ」
と、ななめねこは教えてくれます。
みんながななめになったら
こんどはまっすぐって
やっぱりただのへそまがりかな!?
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どんどこせ どんどこせ どんどこせ……
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投稿日:2021/03/09 |
「あっ『いわしくん』の!」と手に取りました。
鮭はけっこうな頻度で食卓に乗りますし
「園児や小学生が小さなバケツを手に手に稚魚を放流」とか
「村上で塩引き鮭の講習会」といったニュースを
毎年目にする身近な魚。
でも、模様がかわるなんて知りませんでした。
ベーリング海やアラスカ湾まで行っちゃうのも知りませんでした。
広い海に出た鮭が
どうして生まれた川に帰ってくることができるのか?
匂いで分かるんだって説もあるようですが
「どんどこせ」のかけ声が、その音が
波になって鮭たちに届くんじゃないだろか?
文章が5音、7音でリズミカルなので
調子に乗って読んでいると
いつしか「どんどこせ」が頭の中でリフレイン。
少年が川に沿って土手を駆けていく時
男の子の血となり肉となった鮭も
一緒に川を上っているんでしょう?
プールで泳ぐいわしくんとおんなじ。
少年の中にいる鮭にだって「どんどこせ」きっと聞こえたはず。
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トンビにも会えたよ
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投稿日:2021/02/10 |
小学生が喜んで聞いてくれる『おひっこし』を
読み聞かせによく選んでいたので
図書館で新しい999ひきを見つけて「おっ!」
秋にもう眠くなっちゃったおにいちゃんと
雪を見るまでおきていようって998匹の弟たち
ねむけざましにお散歩に行ったり、おしくらまんじゅうをしたり。
ダンゴムシやカメムシ、かなへびといった冬眠仲間をおこしちゃうわ、ヘビの穴で眠っちゃうわ、おにいちゃん、愉快愉快。
今冬はお正月から何十年ぶりの豪雪で
今も目に入るのは雪また雪。
999ひきのきょうだいに見せてあげられたらいいのにね。
あとがきを読んで
どこどこ?と頁をめくり直し
『おひっこし』でおとうさんをつかんだとんびと再会できました。
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おじいちゃんは?
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投稿日:2020/07/25 |
ぼくが「ぼうや」と言われた時の戸惑いとショックは
いかばかりのものだったろうと思いを馳せながら
では、おじいちゃん本人の気持ちはどうだったのだろうと考えます。
母の風船は、いま、手を離れていくばかりです。
手にしていたはずの風船のひもが
知らぬうちになくなっていることに気づき
娘である私や、孫である息子達より
当の本人が、その事を嘆いて泣くのです。
「代わりに覚えておくよ」と言っても不安を和らげることはできず
無力感でため息が出ます。
認知症って
何もかも忘れてわからなくなってしまうんだと思っていましたが
そうではなくて、わからないことが少しづつ増えてはいくけれど
変わらずに、わかることはわかっているのです。
昨日の風船、5分前の風船さえ飛んでいくのに
5歳の時に母親と死別した悲しみの風船は握り続けたまま
思い出しては涙をこぼします。
訳者の落合恵子さんのあとがきには、
初めて「おかあさん」と呼びかけられたときの衝撃と動揺は…
の一節がありますが
私は母の「おかあさん」になれたら
少しは力になれるだろうかと淡い望みを抱いているのです。
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みんなの宝だから
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投稿日:2020/07/15 |
同じパパぺんぎんの話
『とうさんのあしのうえで』が思い浮かびました。
4カ月も飲まず食わずで卵を温め続ける皇帝ペンギンの過酷な子育てに
感銘を受けたものですが
こちらのパパぺんぎんは、ちょっとおとぼけで脱力。
ラストは、
「しろくまさん、あんたんとこもかい!?」と
思わず「ぷっ」となりました。
でも、3羽一緒なら
みにくいアヒルの子みたいにはならないね。
私の住む街には
「子どもは地域の宝」という標語の看板が掲げられています。
うちの子も、お隣の子も、よその子もみんな宝。
地域のみんなで育てていけたら、と願うから
ぺんぎんの赤ちゃんも、しろくまの赤ちゃんも
我が子と思って育てられたらいいよね、パパぺんぎん!
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「大好き」が見える
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投稿日:2020/05/14 |
母の勤め先のそば
街の電気屋さんの店先にこの犬がいました。
仕事が終わるのを待っていたのでしょう
小さかった私は
自分ほどもある黒い耳の犬のところへ行っては
なぜたり、のぞきこんだりしていた記憶があります。
どこか懐かしさが漂う絵柄に遠い日を思い出しました。
テレビの上にも小さな犬がいたものだから
あの犬が聴いているのは
テレビの音だとばかり思っていました。
大好きな人の声って
その人がそこにいなくても
耳の底にいつもあって、しみついて
ふとした時によみがえる。
だから、ニッパー
蓄音機から流れた声にじっと耳を傾けたのでしょう?
先日、珍百景で
ご主人を亡くした黒い犬が真っ白になったという話が流れていました。
あの犬の毛色も
忠犬ハチ公が待ち続ける姿も
そして、ニッパーが声に傾げた首も
「大好き」という気持ちって、目に見えるんだ。
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