TOP500

ジュンイチ

パパ・60代・東京都

  • Line

ジュンイチさんの声

1648件中 231 〜 240件目最初のページ 前の10件 22 23 24 25 26 ... 次の10件 最後のページ
自信を持っておすすめしたい センス抜群の絵本  投稿日:2011/08/29
壺の中
壺の中 作: 安野雅一郎
絵: 安野 光雅

出版社: 童話屋
子ども向けに書かれたシリーズ「美しい数学」第4巻。
絵の安野光雅さんは、「旅の絵本」「ふしぎな絵」等の美しい絵本の他にも「はじめてであうすうがくの絵本」を始めとした数学の絵本でも、つとに知られています。
作の安野雅一郎さんって、誰と思って調べたら、やはり安野光雅さんのご子息でした。
血は争えないもので、雅一郎さんは、早稲田理工学部率。
そのセンスを絵本に展開したという企画が生まれた時点で、この作品は成功したと言える、そんな作品です。

最初に登場するのは壺。
その壺の中には、広い海があり、海には1つの島があり、島には2つの国があり、2つの国には3つの山があり…、とページをめくる度に数が階乗に増加していきます。
とにかく、絵が美しい。
壺の絵なんて、惚れ惚れするくらいです。

後半は一転して、解説が始まります。
文章はそのままに、お話に出てくる数を点で表すのです。
数が多くなり、戸棚の40320になったところで、もう表示が出来なくなりこの試みは終わるのですが、数を実感するという点で、とても面白いと思います。

最後には、数字の説明もあり、下記の表が掲載されていたりするので、その仕組みが良く分かります。

島                        1=      1
国                      1×2=      2
山                    1×2×3=      6
城                  1×2×3×4=     24
町                1×2×3×4×5=    120
家              1×2×3×4×5×6=    720
部屋           1×2×3×4×5×6×7=   5040
戸棚         1×2×3×4×5×6×7×8=  40320
箱        1×2×3×4×5×6×7×8×9= 362880
壺     1×2×3×4×5×6×7×8×9×10=3628800
 
数学の絵本ではあるのですが、親しみを持って接することのできる作品です。
小学校低学年位が対象で、数学の楽しみを感じてくれること間違いなしの絵本としてオススメします。
参考になりました。 4人

自信を持っておすすめしたい 初期作品でも、あきやまワールド全開  投稿日:2011/08/29
はやくねてよ
はやくねてよ 作・絵: あきやま ただし
出版社: 岩崎書店
あきやま ただしさんの1994年9月10日発刊の作品。
1993年3月25日発刊の「ふしぎなカーニバル」がデビュー作と言われているので、ごく初期の作品ということになります。

主人公のこうたろうくんが、眠れないので、柵を越える豚さんを数えるシーンで、物語は始まります。
柵?って何って思いますよね。
これが、この作品の大きなポイント。
柵の中が一杯になってしまい、数を数えることが出来なくなってしまうのです。
しかも、豚さんが文句を言うのでうるさくて、眠れないのです。

そんなシーンの繰り返し。
柵の中に一杯になった人、動物等がうるさくて更に眠れなくなり、こうたろうくんは叫びます。
「はやくねてよー」
こんな展開って、流石にあきやまさんと思わずにいられません。
そのエンディングも、そうきたかと思わず膝を打ちたい気持ちに駆られる方も多いのではないでしょうか?

あきやまワールド全開の作品で、文句なしにオススメします。
参考になりました。 0人

自信を持っておすすめしたい 絵が物語る絵本  投稿日:2011/08/27
ノアのはこ船
ノアのはこ船 作・絵: ピーター・スピア
訳: 松川 真弓

出版社: 評論社
「ノアの箱舟」は、沢山の絵本が出版されています。
一番印象に残っているのは、今年2月に邦訳されたリスベート・ツヴェルガーの描いた「ノアの箱舟」。
リスベート・ツヴェンガーは、グリム、アンデルセン等の世界的名作を、繊細で独特の画風で描き、国際的に評価を得ており、思う存分に彼女の描く絵の魅力が溢れているものでした。

今回のピーター・スピアーによる「ノアのはこ船」は、1978年にコールデコット賞を受賞しました。
ピーター・スピアは、1962年にも「きつねのとうさんごちそうとった」で、コールデコット賞オナー賞を受賞しています。

この作品の特徴は、文章が殆どないこと。
最初と最後に1行の文と、大洪水の詩の転用があるだけです。
後は、絵が物語るという作品なので、ノアの箱舟の文章を一度は読んだことがないと、理解が難しいかも知れません。
何せ、絵だけですから、解説を入れつつの読み聞かせが必須の作品です。

それでも、ピーター・スピアの絵は、魅力に満ち溢れたもの。
船には、選ばれし者しか乗船できなかったのですが、船の入り口が閉ざされ、船外にいた多数の動物が洪水の中に消え去るシーンは、その象徴的な絵です。
だんだんと船内が汚れていくシーンや、ノアが思い悩むシーンなんて、実に忠実な絵だと思います。
また、甲板から大量の水が溢れさせながら、大海原を漂う船の絵は、何度見ても心に響くものではないでしょうか?

文章はいらないと言える位、絵が物語る作品です。
ノアの箱舟の絵本は多かれど、一度は読んで欲しい作品としてオススメします。
参考になりました。 0人

なかなかよいと思う 胸がキュンとなる話  投稿日:2011/08/27
りらのひみつのへや
りらのひみつのへや 作・絵: 杉浦 さやか
出版社: Gakken
兄弟姉妹の関係について、絶妙にその心理を描写した作品です。
主人公のりらには、弟のげんたがいます。
りらは部屋を飾るのが好きなのですが、すぐにげんたがめちゃめちゃにするという書き出しで始まります。

りらは、マンションの他の子供は自分の部屋があるのに、私だけないのはおかしいと不満に思っています。
自分の部屋が欲しいとパパ、ママに言っても、もう少ししたらと取り合ってくれません。

そこで、りらは自分の部屋を作ろうとします。
これって、誰しもが思ったことではないでしょうか?
自分だけの空間を欲っするのは、誰にも共通のことだと思います。
でも、その空間にもげんたが入り込んでくるのです。
おねえちゃんのことが、好きでたまらないおとうとの気持ちにキュンとさせられました。
そこで、とうとう、りらは内緒で庭に自分の部屋を作ります。
ここで生活をと考えたものの、あたりが暗くなって心細くなり家に戻るのですが、そこには、嬉しいハプニングが待っていたのです。

このエンディングは良いです。
とても良いです。
この構図は我家でもありましたが、おそらく、兄弟姉妹がいる家庭では、本当はある光景なのではないでしょうか?
ただ、その伝え方が上手くないだけ。
そんな関係を、上手に描いてくれた作者に拍手です。
兄弟姉妹がいる家庭の読み聞かせにオススメです。
参考になりました。 0人

なかなかよいと思う おしりのアングルがGood!  投稿日:2011/08/27
おしりがいっぱい
おしりがいっぱい 作: 薮内 正幸
出版社: 福音館書店
動物画の第一人者として知られる薮内正幸さんの作品です。
物語は、
「ぶーん
はえが ぶたの おしりに とまった」
という書き出しで始まります。
次ページで
「ぶたが しっぽを ぷるん」と書いてあり、はえを追い払います。

色んな動物で、この繰り返しが続くのですが、通常のアングルとは異なり、おしりが中心というのが〇。
確かに、おしりに何かがとまると、しっぽで追い払うシーンというのは良く目にしますが、そこにポイントをあてるという発想が素晴らしいと思います。
子供にとって、新しい発見にきっと喜ぶことでしょう。

「どうぶつのおやこ」「どうぶつのおかあさん」等と一緒に読み聞かせすると、効果は絶大だと思います。
参考になりました。 0人

自信を持っておすすめしたい 笑える作品  投稿日:2011/08/27
王さまライオンのケーキ はんぶんのはんぶん ばいのばいの おはなし
王さまライオンのケーキ はんぶんのはんぶん ばいのばいの おはなし 作・絵: マシュー・マケリゴット
訳: 野口絵美

出版社: 徳間書店
マシュー・マケリゴットの2009年の作品。
彼の「ぼくはモンスターのとこやさん」を読んで、他の作品も読みたいと思っていたのですが、やはり期待通りの内容でした。

物語は、アリが、王さまライオンからの食事会の招待状を受け取るシーンから始まります。
毎年何匹かの動物を招くという設定で、時間通りに到着したのはアリだけで、他の動物達はみんな遅刻です。
参加する動物の面構えが、どうも悪人ぽいのですが、食事会が始まるとあながち間違いでないと思えてきます。
食事会のテーブルの絵と言ったら、こんなのあり?と言える位マナーが悪く無法地帯と化しています。
イボイノシシなんて、テーブルに飾られた花を食べていたりするので、あり得ない構図です。
王さまライオンと言えば、黙っているのですが、正に賢者という感じ。

食事が終わると、大きなケーキを出して
「自分の分を取って
隣にまわしなさい」
と言うのですが、最初のゾウは、半分を取ってしまいます。
次のカバもその半分を取ってしまい、皆が残りの半分を取ってしまうので、最後のアリは、256分の1。
半分に分けて王さまライオンにまわそうとしたのですが、余りに小さくて粉々になってしまうのです。

その行為に対する他の動物の辛辣な表情も、酷いもの。
恥ずかしくてたまらなくなったアリは、明日、イチゴケーキを焼いてきますと言うのです。
それを聞いた他の動物は、今度は、その2倍のケーキを焼いてきますと言うものだから、最後のゾウに至っては、256個のケーキを焼く羽目になってしまいます。

王さまライオンとアリ以外の動物が、あまりに動物然としているので、その行為が可笑しくてたまりません。
数の絵本として紹介されているように、数の概念が自然と分かる要素もあるので、実に内容の濃い作品だと思います。

どちらかと言うと、数についてはサイドストーリー的要素に過ぎず、ストーリーそのものの展開の面白さからオススメしたい作品です。
参考になりました。 3人

なかなかよいと思う 自分らしくあることが一番  投稿日:2011/08/27
はいいろねずみのフレイシェ
はいいろねずみのフレイシェ 作: アンケ・デ・フリース
絵: ウィリーマイン・ミン
訳: 野坂 悦子

出版社: 文溪堂
2001年のオランダの作品。
主人公の灰色ネズミのフレイシェは、とっても悲しい気持ち。
理由は、体の色が、曇り空と同じ暗い灰色だから。

そこで、フレイシュは、明るいペンキで色を塗ることにします。
でも、どんな色にしても、まわりの動物から馬鹿にされるだけなのです。
花模様にしたら、ハチに追い駆けられる始末で、悲しくてたまりません。
そんな時、フレイシュのことを、綺麗な色だと言ってくれる仲間が登場して、話は大きく展開するのです。

自分らしくあるのが一番ということを、さり気なく諭してくれる絵本です。
話に難しいところはなく、ごく自然に話しを受けとめ、感じてくれる作品だと思います。
参考になりました。 0人

なかなかよいと思う 気持ちを考えるきっかけになる絵本  投稿日:2011/08/27
きもち
きもち 作: 谷川 俊太郎
絵: 長 新太

出版社: 福音館書店
絵を長新太、文を谷川俊太郎による、1978年のかがくのともに掲載されたのが最初の作品。
それが2008年に発刊されたもの。

前半は、長さんがいろんな気持ちを絵で表現します。
優しい気持ち、怒る気持ち、恥ずかしい気持ち、怖い気持ちなど、子供にとってきっと思い当たる節のあるシーンが登場します。
それ以上に、読み手の大人にとって、懐かしく思う気持ちで一杯になるのではないでしょうか?
遠い昔を思い出させる、そんなシーンが目白押しだと思います。

後半には、谷川さんの文章も登場します。
「こどもも おとなも
きもちは おんなじ。
でも じぶんのきもちと
ひとのきもちは ちがう。
ひとが どんな きもちか
かんがえてみよう」
心の琴線に触れるフレーズだと思いませんか?

気持ちを考えるとは、自分の気持ちを考えることと、人の気持ちを考えるという2つの側面があります。
この本を読んで、子供が少しでも気持ちを考えることが出来れば良いと思います。
大人も、改めて気持ちについて考えるきっかけになるので、年齢を問わずオススメしたい作品です。
参考になりました。 2人

なかなかよいと思う リズミカルな作品  投稿日:2011/08/27
ヨセフのだいじなコート
ヨセフのだいじなコート 作・絵: シムズ・タバック
訳: 木坂 涼

出版社: フレーベル館
シムズ・タバックは、本書で、コールデコット賞を受賞しています。
有名な「ハエをのみこんじゃったおばあさん」でも、1998年コールデコット賞オナー賞を受賞しています。

この作品は、イディッシュ語の「オーバーコートをもっていた」という歌を元に作られたそうです。
因みに、イディッシュ語とは、世界中で400万人のアシュケナージ系ユダヤ人によって使用されている言語のこと。

物語は、表紙から始まっています。
表紙を見ると、ヨゼフのコートに穴が開いているのですが、その穴の部分に凹凸をつけてあるのです。
最初は、大事なコートなので、継ぎを当ててていましたと始まるのですが、次のページでは、コートをジャケットに作り変えています。
その繰り返しが、どんどん続くという物語なのですが、作り変える部分の生地は、仕掛けになっているので、子供も釘付けになるはず。
物って、大事にすると、こんなに再利用出来ると驚くことでしょう。

文章は、歌を元にしていると言うだけあって、実にリズミカルなもの。
絵も、水彩絵の具、グワッシュ、色鉛筆、インク、コラージュで製作しましたとあるように、作者が思いっきり楽しんでいるようで、見所満載。

3歳位から読み聞せでき、物を大切にする要素もあるので、是非ともオススメしたい作品です。
参考になりました。 0人

自信を持っておすすめしたい パパに読み聞かせして欲しい作品  投稿日:2011/08/26
パパ、おばけがいるよ。
パパ、おばけがいるよ。 作・絵: ヒド・ファン・ヘネヒテン
訳: 野坂 悦子

出版社: フレーベル館
ヒド・ファン・ヘネヒテンは、ベルギーの絵本作家。
幼児・低学年向けの絵本を次々と執筆しており、世界的な人気絵本作家で、彼の本は世界30カ国以上で翻訳されているそうです。
彼の作品では、「ちいさいなしろいさかな」シリーズや「ずっとママといっしょがいいの」が、印象に残っています。

まず、表紙の絵。
ペンギンと熊がこっちを覗いているのですが、凄いインパクトのある絵で、これで惹き込まれてしまうはず。
主人公のヨアヒムは、ちょっぴり怖がり屋。
物語は、ヨアヒムが自分の部屋で一人でベッドで寝るシーンから始まります。
日本と異なり、1人寝の習慣が多い外国ならではの出だしです。

ベッドの下から
「ギッ…ギッ…ギシッ」
と音がするので、ヨアヒムは叫びます。
「パパ!ぼくのベッドの下に、おがけがいるよ!」
パパは直ぐに来てくれて、丹念にベッドの下を調べて、その原因を諭してくれます。
一旦それで終わるのですが、カーテンの陰、箪笥の中、おもちゃ箱の中、マットの下、ドアの外と、何度も呼ばれては、パパがしっかりと確認に来る繰り返しが続きます。

パパが、子供の言動にしっかりと向きあっていることが、最高に素敵です。
自分を振り返って、単に「あるはずがない」と言っていたので、これでは、子供がついて来ないのは、当たり前の話ですね。
だから、最後のヨアヒムの
「だって、パパが おばけを ぜーんぶ、おいはらってくれたんだ」
という親子の信頼に基づいた発言に繋がるのでしょう。

ストーりーも素敵ですし、親子の関係を考えるにも、うってつけの絵本です。
でも、この本の一番のオススメは、丁寧に描かれた絵。
その絵は、巧みにサイドストーリーを物語っているのです。

例えば、最初にパパを呼んだとき、
部屋にいるぬいぐるみ達も、パパの方に一斉に視線を向けています。
アンパンマンもいるのも、ご愛嬌。
そのぬいぐるみ達は、ページ毎に動いているのですが、これこそ、おばけとも言えそうな位です。
パパがドアを開けたら、勝手にオモチャのロボットは出て行ってしまうし、あり得ない構図が展開しているのです。
壁に貼ってあるおばけの絵も、いつも姿形を変化させているし、何でこんなに変化しているのに、パパは気付かないんだと、思うお子さんもいると思います。

何度読み返しても、新しい発見のある絵本で、3歳位からのお子さんにオススメします。
読み聞かせは、パパがすると最高だと思います。
参考になりました。 0人

1648件中 231 〜 240件目最初のページ 前の10件 22 23 24 25 26 ... 次の10件 最後のページ

児童書出版社さん、周年おめでとう! 記念連載

出版社おすすめ


全ページためしよみ
年齢別絵本セット