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果たしてここはどこ?
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投稿日:2020/11/12 |
うそをつくとどうなるか?ということを読者に考えさせる絵本です。
劇画タッチで鮮やかな色彩を使い分けインパクトを出していますが、どことなくコミカルです。夢か現かで出会ういつもと違うみんなは怖いという表情の中にどこか『だめだよお』とたしなめているような表情が混ざってほどよく教えている感じが嬉しいです。まるで知っている人が演じていると分かっているお化け屋敷のような感じで。
みんなにうそをつかれた自分はものすごく困ってしまうよ、と思うウソスギくん、実はおとうさんおかあさんが大好きで(二人にはうそはつかないのでしょうね)、大切な二人を守るためにうそをやめよう、と思うなんて素敵です。うそをつくのはよくない、と直接伝えない手法は気づきを促すという点で効果的です。
現代は『こどもは褒めて育てる』という風潮です。その流れに乗ればうそに関しては、『うそをつくと相手が悲しむよ。うそをつかないといいことが起こるよ。』と教えるところでしょう。その中で『ほどよくたしなめて考えさせて気づかせる』本著は今のこどもたちにお勧めだと思います。
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子育ての楽しみ。
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投稿日:2020/06/30 |
版画なのかな、という色づかい。白、黒、赤、黄、青、灰色という単純な色彩。ハプニングはありますが、たまごをかえして赤ちゃんが生まれました!という一直線のストーリー。なのに温かく、安心感に溢れていて、まるで作者さんの大いなる愛に包まれているような感じがしました。
人間の場合こどもの誕生、育児は期待の大きさもさることながら、不安だらけであれこれと気持ちが追われてしまうのとは裏腹に、絵本の中では一直線に素直に時間が流れていきます。
パパぺんぎんはたまごを生んだママぺんぎんにたまごをちゃんとみているように言われ、何をするときも一緒です。たまごたちもあたかもたまごではなく、こどものように、楽しそうです。さかなつり、スキー、かいしゃ、うんどうも一緒に楽しみ、もう親子の絆はしっかりできています。しかし、赤ちゃんにもうすぐなる時に限ってパパぺんぎんは目を離してしまい、その隙を狙うかのようにたまごはかえり、赤ちゃんたちは大冒険(しかもからを持って)。雪山に到着して同じような状況のしろくまの赤ちゃんたちに出会い、意気投合し遊んでいました(想像)。そこに同じく赤ちゃんを見失ったしろくまのパパがやってきて、雪の中で目立つ色をしていたぺんぎんの赤ちゃんを自分のこどもと思って連れて帰った、というところ。しろくまのママもちょっとおかしいな、と思いながらペンギンの赤ちゃんとお散歩中です。
赤ちゃんをみつけたパパぺんぎんはほっとしたためかこどもたちが入れ替わったことには気づきません。とってもかわいいから。戻ってもママぺんぎんも気づきません。パパぺんぎんもママぺんぎんも赤ちゃんの色が薄いとは思っても、喜びのあまり入れ替わったことには気づかずお散歩をしているところでおしまいです。
その後・・・ぺんぎんのこどもたちとしろくまのこどもたちは何だかわからないけれど近いものを感じ、仲良く一緒にいつも遊んでいます、という落ちがつきそうなほっこりする絵本でした。
疑問を持たない美しさ、あるがままを受け入れる純粋さこそ、子育ての楽しみではないのかな、と感じました。子育てに悩んだ時にふと我に返れるような絵本と思います。
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生まれたばかりの赤ちゃんに捧げる絵本。
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投稿日:2019/11/16 |
とってもきれいな純粋な絵本です。
生まれたばかりの赤ちゃんに捧げる絵本。
何にもないところに、本当のことのだけを語ってくれる絵本。
作者さんは、赤ちゃんが生まれてとっても嬉しかったのでしょうね。この世できれいな、きらきらしたのもだけを集めた絵本を作ろうとしたみたい。
そしてそれを見事に絵にした約者さんがいます。
赤ちゃんが宇宙のまたその遠くの宇宙からやってきました。はじめて見る地球、宇宙。期待するものもなく、臆するところもなく、ただ無からの出発。
宇宙を俯瞰するところから始まり、地球、陸、海、空、人間、動物と徐々にその視点は小さくなっていきます。そして時間、歴史、経験と見えない世界を旅するうちに再び世界は広がっていき、また宇宙に到達します。
最後に、赤ちゃんおめでとう、きみはひとりじゃない、とこころで結びます。こころは宇宙よりも広い、さあぼくのもとへおいで!と。
文字の読めない赤ちゃんでも目はぼんやりと見えています。母親が授乳する距離が一番焦点があっています。ご両親が赤ちゃんと一緒にこの絵本を読んでみる。すると赤ちゃんはこのきらきらした絵をきっと目で追うでしょう。よくわからなくても、そばにいるご両親のことばで、気持ちで、ぬくもりで伝わるでしょう。
ご両親は育児で忙しく、仕事、家事で追われています。日曜日夕方のポッと空いた時間、鳥のさえずりや風の音が何となく耳に入ってくるようなその時、何事も忘れてまっさらな気持ちで赤ちゃんと一緒にこの絵本に向き合うと、生きているってすごいんだな、美しい愛しいものがいっぱいあるんだな、みんながいるんだな、と『いい』気持ちを分かち合うことができるような気がします。
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こどもはこどもで。
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投稿日:2019/10/30 |
ある日、保育園に新しいともだちが来ました。なんとぞうさんです。こどもたちは新しいものには興味津々、それもにこにこやさしいぞうさんでした。色々な遊びでぞうさんとなかよくしようとしますが、体が大きく、毛もなく、人間とは違うぞうさんとはうまくいきません。しかもみんなが一番大好きな、みんなで遊べるすべり台が壊れてしまう。ぞうさんもみんなもしょんぼりした瞬間、女の子がそっとぞうさんにゆだねてみます。
すると、ぞうさんはぞうさんのいいところをありったけ出します。しかも、自然に。ぞうさんの表情も一気に変わり、ぞうさんを中心としたこどもたちの結びつきが出来上がります。ぞうさんがリーダーのようにも見えますが、そうではなく、みながみな、みんながより楽しいものを求めて保育園の外に出ていきました。みんなが確実に成長、自分らしくなった素晴らしい瞬間でした。
ふりかえって初めの部屋を見ると、みな個々に遊んでいます。そしてみなを結びつけるのはすべり台でした。とっても楽しい、そのみんなを結びつけるすべり台が壊れてみんなが戸惑うのですが、そこはこどもの知恵で解決。自然の中でみんなで遊ぶのって最高だね!とみんな思いはじめました。いや、そうではなく、はじめからそれを求めていたのだと思います。
この絵本には大人が登場しません。こどもたちはこどもたちで解決できるんだよ、と教えてくれているようです。我々大人はこどもたちに関わりすぎなのかもしれません。おもちゃを与えるのでなく、自然に連れて行ってあげるのが一番なのでしょう。そしてその場でこどもたちは自分たちであそびを作り、育っていくのでしょう。
もう50歳間近のおじさんですが、こどもの頃からぞうが大好きでした。ぞうの絵本と言えば『まいごになったぞう』。ぞうのあかちゃんの姿が美しくて、今でも手元にあります。
今回それをしのぐようなぞうの絵本に出会いました。こどもどうしの結びつきを描いた、ものすごく素敵な絵本です。是非ともこどもたち、そしておとなたちにも読んでいただきたい絵本と思いました。
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悲しみが溢れます。
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投稿日:2019/09/03 |
主人公のエディがいろいろな動物に化けて気持ちを表現しています。しかし、エディがそんな風に思っていることは皆気づきません。エディの、何も言えない、状況を見て、ふつうはこうだよね、というところから周りは返します。お母さんでさえきちんと受け止めることはできません。涙を流すのは人間だけ、と母は言い、エディは、空もだよ、と返す。お母さんはその気持ちに気づかずそのまま続けます。エディはあきらめてエディのまま日常を再開します。悲しみしか感じません。どうしたらエディを幸せにできるか、考えるための絵本かもしれません。
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ライオンでも。。。
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投稿日:2019/09/03 |
一直線のストーリーで伏線も整合性もありませんが、ただただ美しく感じました。あえて百獣の王ライオンをひとりぼっちにし、最後まで悲哀を感じさせるところが誰でもひとりで生きるのはつらいんだ、と思わせます。でもなぜか大人になったぼうやには家族を感じられます。不思議な読後感です。
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ママの姿勢がいい。
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投稿日:2019/09/03 |
ママとぼくがいつものおきまりの散歩にでかけ、色々な動物と遊びます。ぼくもものすごく楽しみにしていますが、動物たちも楽しみ。動物たちは早くぼくと遊びたいのに、前の動物がぼくと遊び終わったのを見計らって出てきます。順番を守る、というルールが暗喩されている感じが気持ちいい。そしてママ。一緒にいて何も言いません。見守っている安心感だけがあり、ぼくは自由になれます。ひとりだと、こんな感じにはなれません。ママの姿勢に感服。しあわせ溢れる絵本です。
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パパと一緒に。
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投稿日:2019/09/03 |
パパと一緒に冒険のお散歩。誰もいない森の中なのに、楽しそうな空気がいっぱい。やっぱり、気のいい動物さんたちが出てきてもてなしてくれる。そんな優しさに包まれながら出てくる言葉は『ありがとう』しかないよね。みんながハッピーになった思い出をかみしめながら、パパの背中でねんねかな。今日も楽しかった!
1〜2歳くらいのこどもに最適な絵本と思います。
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