いきなり登場するのは、うしの後ろ姿。 あ、ふりかえった! そのすっとんきょうな目で見ているのは、うしろ。 そしてうしろには…うしがいた。 うしろのうしも、同じ目。そして、うしろをふりかえる。 …うしがいる。 そのうしろのうしろのうしもうしろをふりかえると、やっぱり?
なんだ、これは。
「そのうしろのうしろのうしろのうしもうしろをふりかえった うしがいた」
これ、永遠に続くの? 開いたページはすでにうしだらけ。いったいどうなるの? と、突然やってくる最後のオチ。
…なにこれ、笑っちゃったじゃない!!
内田麟太郎さんが書かれた詩「うし」。高畠純さんの絵と組み合わさって完成したのが、この最高に楽しいナンセンス絵本なのだそう。うしがうしろをふりかえり続けるだけなのに、ずっと可笑しくて仕方がない。うしの顔を見ているだけでも笑ってしまう。
「ところでこの絵本、何がいいたかったの?」 そんな質問をしたら、うしにあきれられてしまいます。 それよりも、ぜひ親子で一番しっくりくる「間」を研究しながら読みあってみてもらいたいものですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
うしがうしろをふりかえったら、うしがいた。そのうしろのうしがうしろをふりかえると、やっぱりうしがいた……。どんどんふえて、さて、どうなる? くりかえす言葉のリズムが楽しい、ナンセンス絵本。
なんとも単純で、パワフルな詩です。
その詩に高畠純さんが絵を加えたので、たまらない絵本になりました。
子どもたちでも、ここまで飾り気なく物事をとらえるのは、かえって難しいのではないでしょうか。
やっぱり唸ってしまいますね。
もぉう!!! (ヒラP21さん 60代・パパ )
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