なおちゃんは、朝、お父さんと自転車に乗って保育園にいきます。かどのたばこ屋のおばあちゃんが手をふってくれます。保育園で友だちとあそび、昼ご飯を食べ、お昼寝をすると、夕方にはお母さんがお迎えにきます。お母さんと夕飯の買い物をしながら歩いて帰るなおちゃんは、たばこ屋のおばあちゃんに、ただいまをいって……。なおちゃんの一日を、子どもの視線で丁寧に温かく描きます。
なおちゃんが保育園に送ってもらって、
迎えに来てもらい家に帰るまでの一日が描かれています。
お母さんと子どもが会社に行くお父さんを見送るのではなく、
お父さんがお勤めに行くお母さんを見送り、なおちゃんを
自転車に乗せて保育園に送っていきます。
ジェンダーフリーの本です。
今ではそんなに珍しい光景ではありませんが、
この本の初版が1983年ということに驚きました。
家庭の様々な環境、家族構成があって、それぞれの役割を
こなしているということ。
そういったことをすっと受け入れられるような気がしました。
前半は自転車の高く周囲が見渡せる目線、
保育園では子どもが見渡せる目線、
お母さんと帰るところでは子どもの目線と、
展開に沿って距離感が全く違うところが面白いです。
それだけで走ったり歩いたりしているスピード感も
伝わってくるようです。
なおちゃんが一生懸命お母さんに話しかけているところも、
自分だったら何て答えるかな、なんて考えながら読んでいます。
息子はなおちゃんが信号のボタンを押すところが自分の姿と
重なるようで嬉しいようです「ボタンおされちゃったね〜」
なおちゃんの気持ちに共感している様子。
お父さんにもぜひ読んでほしい本です。 (空色のかわうそさん 30代・ママ 男の子2歳)
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