まだ普通の家には時計というものがなかった時代の韓国のお話です。 何とも可愛い民族衣装を着た小さな小さな女の子がお隣のよろずや(何でも屋さん)のおじさんに、おかあさんに頼まれて時間を聞きに行くところからお話が始まります。そしてその時間が「よじはん」。すぐお隣のお母さんに帰って伝えるだけの出来事です。ところが・・・。 女の子が忘れないように「よじはん よじはん」と唱えながら、例えばありの行列を見つけて小さく「あ、」と言う度にこちらははらはらしちゃうのです。大丈夫かな?早くしないと!なんて。そんな大人の思いとはうらはらに本人はいたってのんびり。田舎の景色ものんびり。女の子の「よじはん」はとっても大きくて長い。 最後のおちも含めてこの子供の天真爛漫さにはまいってしまいます。激動な時代にあって、理想的な子供の姿を描いているのかもしれませんね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
小さな女の子が、時間をきいてきてとお母さんに頼まれました。「よじはん」でした。でも、なかなか家に帰り着くことができません。韓国の、静かでのんびりとした詩の絵本です。
朴とつとした風景に、穏やかな時間が流れています。
私も毎日、時間に追われているので、「ああ、こんなに穏やかな時間の流れ方、時々は思い出したいな…」と思いました。
絵も落ち着いていて、味があって、かわいくて、おすすめです。 (ピンピンさん 50代・その他の方 )
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