「た」からはじまる命のいとなみ 『た』 【NEXTプラチナブック】
ひらがな一文字『た』というシンプルなタイトルからは想像もつかない、ダイナミックな絵本。たがやす、たねまく、たちまちめがでる、たくましくそだつ。 個人的にはどちらかというと「〜した」「だった」と語尾にあるイメージの「た」が、田島征三さんのこの絵本には「た」から始まる勢いのある言葉ばかり。「た」はこんなにも力強い言葉なのかと心を揺さぶられます。
たわわに実り、虫とたたかい、たいへん。だけど、たすけあう、たたえる。そしてたのしむ!! 稲作を中心とした農耕によって、命をつなぎ、家族を養い、蓄えて、人間社会のつながりを形成してきた日本人。「た」というキーワードから広がるイメージ、豊かな日本語のニュアンスを感じられます。
1960〜70年代頃から『しばてん』『ふきまんぶく』(偕成社)などを始め、一貫して、自らの身体が感じる“命の芸術”に正直に絵本を制作してきた田島征三さん。今なお力強い新作を発表されています。国内外で多数の絵本賞を受賞され、日本を代表する絵本作家の1人、田島征三さんならではの世界を、一度手にとって味わってくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
たがやす、たねまく、たくましくそだつ。たすけあう、たたえあう、そしてたのしむ! 古来より稲作を中心とした農耕によって命をつないできた日本人。連綿と続く営みとその精神を、命の芸術家・田島征三が力強く描く。「た」というキーワードから広がる、日本語の豊かなニュアンスを堪能できる絵本です。
この絵本の迫力は
高学年でも中学生、高校生でも多く感じることがあるのではないかな。
そして、なによりも田島さんが伝えたいことは、
おこめづくりが害虫などとたたかい、皆でたすけあって
ようやく収穫にいたること、
だから余計に人は収穫をたたえあい、よろこび、たのしむ。
そういう歓喜こそが、いきるという力を生み出しているということだと思います。 (夏の雨さん 60代・パパ )
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