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真夜中、ひろこはトイレに行きたくなって目が覚めます。お母さんが赤ちゃんのおむつ替えで手がはなせないのを見て、ひろこは1人でトイレに行ってみようと思いました。ぬいぐるみのみいこと一緒に長い廊下を通ってトイレに行ってみると、小さな動物たちが次々あらわれて、ひろこを手伝ってくれました。子どもの“身近な大冒険”を、『ひとりでおとまり』のまるやまあやこさんが、暖かく丁寧な筆致で描きます。
子供の本専門店をブラブラしていた時に見つけました。表紙をパッと見て「林明子さんの作品かな?」と思ったら違いました。でもなんだか惹き付けられて買ってしまいました。
動物やしゃぼん玉が出てきたり、お母さんが登場するとみんな消えてしまう展開、絵の色味や雰囲気も、林明子さんの「おふろだいすき」に通じるところがあります。でも「おふろだいすき」はずっと明るく楽しいのに対して、「まよなかのトイレ」は主人公の不安な気持ちと、不安に打ち勝って成長する姿が描かれているのが対照的です。
娘は気に入った様子で、何度もおっかなびっくり読んでいます。トイレやぎが登場すると、「なんで?どこから来るの?」と質問攻めにあいます。娘と読んでいて気がついたのですが、主人公のトイレを手伝ってくれるうさぎやあらいぐまは、実はペーパーホルダーのカバーや、タオルかけについているのを発見。
怖かった真夜中のトイレも、最後にはちゃんとお母さんが来てくれて、ホッ。
そういえば、下に赤ちゃんがいるのと、主人公の成長、最後にお母さんの愛情に包まれる点では、瀧村有子さんの「ちょっとだけ」とも共通点があります。
「おふろだいすき」「ちょっとだけ」が好きな子にはオススメの1冊です。 (いちがつにがつさん 30代・ママ 女の子4歳、男の子1歳)
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