おしいれのすみっこからさくら色の毛糸玉がでてきました。それを見たチイばあちゃんは、すてきなベレー帽を編もうと、かぎばりを探し始めました。すると、寝ていたとらねこのとらたが起きてきて、一緒にかぎばりを探してくれました。
チイばあちゃんは、古い机のひきだしの中を探してみました。でも、かぎばりは見つかりません。「奥の奥まで探してみたの?」と、とらたに言われて、ひきだしをもっと引っぱってみると、どんどんひきだしが出てきました。
ひきだしの中は、貝殻に時計、きれいな小石、千代紙、チョコレートの空き缶……など、チイばあちゃんのものでいっぱい。ひきだしは引っぱれば引っぱるほど、するするすると出てきます。部屋いっぱいにひきだしが伸びると、チイばあちゃんは壁に穴をあけてしまいました。さらに庭にでてひきだしを引っぱると……。
あまんきみことやまわきゆりこの人気コンビが描くほのぼのとしたお話です。<新装改訂版>
「どこに おいたっけ」チイばあちゃんと同じです。
がたびしがたびり捜している表現が微笑ましくて笑えました。
なんだか必死で捜しているにも余裕があるようで羨ましい(?)
引き出しが、「するするする。するするする。」引っ張るだけ開いてい
って魔法の引き出しみたいでした。
歌をうたいながら陽気なチイばあちゃんがとても素敵でした。
一番よかったなあって思ったのは、一人暮らしのチイばあちゃんに、と
もちゃん、ようくん、りえちゃん、たあくん、ひでくん、ななちゃんの
六人の遊び友達が出来たことです。
山脇百合子さんのほんわかとした優しい絵も大好きで癒されました。 (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
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