大きなうきわを持ったまま、じっとどこかを見つめて立っているこねこ。 その有無を言わさぬ可愛さと、タイトルの不思議な響きに引き寄せられ、 表紙を見てしまったらもう、通り過ぎるわけにはいかないのがこの作品なのです。
こねこの名前はえびお。えびおの誕生日におじいちゃんから送られてきたのは「うきわ」でした。 手紙には「次の満月の夜を楽しみにしていてください」と書いてあり、 えびおはその言葉を胸に、ひとり心待ちにするのです。 そしてとうとうその日がやって来て、忘れられない出来事が起こり・・・。
物語も、登場人物も、風景も、全てが驚くほど幻想的。 本当にありそうな、でもやっぱり絵本だからこその美しい世界。そして、優しい言葉の一つ一つがえびおやおじいちゃん、そして家族のキャラクターを浮かびあがらせていきます。 これぞ、子どもから大人まで楽しめる絵本。何度でも訪れ、その特別な体験を味わいたくなるのです。 詩人の蜂飼耳さんと画家の牧野千穂さんの出会いから生まれた物語、幸せな作品ですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
えびおのお誕生日に、おじいちゃんからとどいたうきわ。それは、ただのうきわではありませんでした。待ちに待った満月の夜に、えびおがうきわをふくらませると、月にひきよせられるようにのぼっていきます。この夜えびおが体験した、わすれられない出来事とは......?
画家、牧野千穂さんの絵が、やさしく、やわらかく、あたたかで・・リアル。
幻想的なストーリーも子どものころよく夢で見たような世界観でした。
えびおという仔猫のところに、おじいちゃんからプレゼントが届きます。わくわくしながらあけてみると、浮き輪がひとつ。海も川もプールもない町に住むえびお・・なんで浮き輪?
でも、そこに添えられたおじいちゃんからの手紙を見つけます。
えびおとおじいちゃんの、不思議な一夜。子どものころ夢に見た「空を飛ぶ風景」がそこにありました。空を飛びながら出会う「ドラゴン」や「ヘリ」も同じでした。
自宅で子どもたちに読みましたが、じっと見入ってました。子どもたちも夢で見られたかな・・?
もう一度、子どものころのように空飛ぶ夢をみたくなりました。
今度、3年生の教室で読もうと思います。ストーリーはファンタジーなので小学生の教室ではどの学年でも読める内容です。
読み時間・7分20秒 (ローサさん 40代・ママ 男の子、男の子)
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