ぼくは、きみがコップにそそいだきゅうにゅう。 あっ、のまないで!ぼくがいなくなっちゃう。 ・・・あれ?ほくはいる。きみのなかにいる。
大好きな牛乳を飲みほしたら、コップの牛乳はいなくなる? いや、ぼくの中にはちゃんといる・・・みたい。 じゃあ、今朝食べたパンも?タマがびりびりにしてしまった絵本も?
芥川賞作家藤野可織さんが、初めて手がけた絵本で伝えてくれるのはどんなことだろう。 「ぼくが大好きなもの、例えなくなったとしても、それはぼくのなかにいる。」 言葉で並べてみると簡単そうなこと。でもちゃんと想像してみて! どういうことなのかな。
高畠純さんが描いたコップにそそいだ牛乳や、バターをぬったパンは、とってもチャーミングでユーモラス。 絵本を読んでいる子どもたちは、一目で好きになってしまうはず。
だからこそ読んでいるうちに、子どもたちにとっては世界がひっくり返ったような気持ちになってしまうのでは。 「消えちゃったのに、なんでいるの?」「ぼくは何でできているの?」「みんなも同じなの?」 もしかしたら、頭の中がグルグルってなっちゃう子もいるかもしれません。
親しみやすい言葉と絵、でも子どもたちの心のどこかに必ずひっかかってくるような絵本です。 自分って不思議だよね。世界っておもしろいよね!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
飲んだ牛乳も、食べたパンも、読んだ本も、全部きみの中にいるよ。第149回芥川賞作家・藤野可織が、人気絵本作家・高畠 純と豪華コラボした初の絵本!自分について考える、きっかけとなるお話です。
このお話は、主人公の少年が食べたり飲んだりしたものが少年の体のいt部となってずっと一緒にいられるっていう事を描いたお話でした。うちの子はこのお話を聞いて、「僕も今日パン食べたけど、お腹の中で生きてるの?」ってちょっとびっくりしたように聞いていました。それがかわいかったです! (イカリサンカクさん 20代・ママ 男の子5歳)
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