おまつりの夜、少年ジョバンニがひとり町のはずれでどこからともなく聞いたのは、汽車の音と「銀河ステーション」というふしぎな声。気がつくと目の前には親友カムパネルラが座っており、ふたりは一緒に小さなその鉄道にのっていたのです。 銀河をかけぬけていくその列車、ふたりの少年はどこへ向かっているのでしょう。幻想的な景色や出来事を目にしながら、ジョバンニは幸せについて、生きる事について考えるのです。やがて、そこらが一ぺんにまっくらになったかと思うと・・・。
宮沢賢治の作品といえば、誰もが最初に思い浮かべるであろう名作「銀河鉄道の夜」。 たくさんの人が読み、たくさんのイメージが生まれ続けているこの童話ですが、また新たな世界を見せてくれる傑作絵本が誕生しました。
独特の世界観で描かれたこの童話に小学生の時に出会い、以来十代の終わり頃から50年の時をかけて「銀河鉄道の夜」のビジュアル化を目指して制作を続けられたというのは金井一郎さん。 絵本を開くと広がっているのは、見た事のないような表現。その不思議な世界は幻想的であり、銀河を想像させてくれます。まさに現実と空想、生と死のはざまを表しているかのようです。 「翳り絵」と呼ぶその手法は穴をあけた黒いラシャ紙から浮かびあがる光の粒の集積によって表現されたもの。
宮沢賢治のこの物語が、こんなに奥深く美しい世界を生み出してしまうのだから、やはり驚いてしまいます。初めて出会う子どもたちも、何度も読んできた大人も、じっくりと味わい読み込んでもらいたい1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
賢治童話を代表する作品。
そしてその絵画化に 50年の時をかけて挑み続けた金井一郎。 その幻想的な独自の画法は、
見る者を銀河へと誘い込む不思議な力を持っている。 まさに決定版!ともいえる傑作が誕生した。
独特の世界観で人気の宮沢賢治の作品。 こどもたちには新鮮な感動を、 大人には一味違う読みごたえのある物語絵本です。
▼「宮沢賢治の絵本」シリーズ
まるで しんしんと降り続く雪のような、
遠い夜空に輝く星のような光の粒たち。
眩しいほどの この光の粒を眺めていると
心が、どこか遠いところへ行ってしまいそうになります。
昔から知っている、「銀河鉄道の夜」。
小説も絵本も持っているし、
朗読もしたことがある。
プラネタリウムの特別上映を観に行ったこともあるし、
DVDも購入した。
けれどもこの絵本は、それらの
「今までに触れた、銀河鉄道の夜」とは明らかに異なっており
それでいて、子どもの頃から持っているような
何とも言えない不思議な気持ちになりました。
きっと、自分の中にある「銀河鉄道の夜」が具体化されているのが
この絵本なのだと思います。
なんとも愛おしく、大切にしたくなる絵本です。 (なーお00さん 20代・その他の方 )
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