「平和」というのは日常の本当にさり気ない瞬間に存在しているのだと改めて思います。 おいしいごはんが食べられて、夜ぐっすり眠れる。 当たり前だと思っているのは幸せなことだけど、やっぱり本当は当たり前のことじゃない。 いやだという意見が言えたり、ごめんなさいとあやまること。 これだって小さな事に思えるかもしれないけど、実はこれができないと大変なことになる。 そして何より大切なのは・・・。 戦争の場面もいくつか登場します。でもこれは怖がらせるためではなく、こどもが自分達の意思で平和な世界というものをつくっていけるんだというメッセージも込められているようです。 作者は『あやちゃんのうまれたひ』や『ぼくのかわいくないいもうと』など、温かな目線で家族や子ども達を描き出している浜田桂子さん。 日本、中国、韓国三カ国の絵本作家とともに平和を訴える絵本シリーズの第一作として練られてきた作品ですが、読んでみればやっぱり子ども達への深い愛情を感じてしまいます。親子で読みながら、会話をしながら、平和について考えるきっかけになってくれればいいですよね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
へいわってどんなこと? きっとね、へいわってこんなこと 。いろいろな事から平和を考えます。日本の絵本作家が中国と韓国に呼びかけ、三か国12人の絵本作家の協力で実現した平和を訴える絵本シリーズ第一作。
平和ってどんなことなんだろう。
戦争をしないこと。
爆弾を落とさないこと。
作者は平和に対する考え方を、今の子どもたちの視点で掘り下げていきます。
戦争を知らない世代にとって、平和が身近すぎるようです。
こんなことも平和なんじゃないか?
そんな世界に私達は生活しているのです。
みんなが勉強できることも、歌えることも、食べ物に困らないことも平和なのでしょう。
そう考えると、貧困や差別も平和と相対する事柄なのでしょう。
作者は、様々なイマジネーションの中で、平和を維持するためには何が必要か。
子どもたち身近なところからも発想します。
悪いことをしたら謝ること。
嫌なことは嫌だといえること。
様々なことが平和につながると思ったら、平和という言葉が他人事ではなくなってきます。
見開き毎の絵に思いを込めて、浜田さんのこの絵本に込めるのは、子どもたちへの願いと教育でしょうか。 (ヒラP21さん 50代・パパ )
|