おっきょちゃんが川で遊んでいると、カッパの子どもに水底のお祭に誘われました。おっきょちゃんは、キュウリをおみやげにもっていったので大歓迎され、お餅をもらって食べると、水の外のことを全部忘れてしまいました。カッパの家の子どもになって楽しく暮らしていましたが、ある時、人形が流れてくるのを見つけて、急に家を思いだし帰りたくなりました。はたして人間の世界に戻る方法は……。
「めっきらもっきらどおんどん」のコンビが手がけた絵本という事で、これもちょっと怖くて面白いお話かと思ったのですが、それ以上の要素が詰まっていました。
まずは怖さ。コミカルだけど少し怖いカッパが登場します。特におっきょちゃんが大きなカッパに取り囲まれている場面はヒヤヒヤもの。
そして面白さ。カッパを怖がる素振りすら見せず、飄々とカッパの世界に飛び込んでいくおっきょちゃんと、それに翻弄されるカッパ達の姿は見ていて痛快です。
それに加え、水の中の美しさ。お祭りでおっきょちゃん達が吹いた七色のあぶくが出るみずぶえの、なんと幻想的なこと!
そして冒険。人間に戻るためにおっきょちゃんとガータロが辿った道は、驚く場所につながっていて、おっきょちゃんはこれまた仰天の方法で人間界へと戻されます。
そして切なさ。ガータロがおっきょちゃんと別れる場面は、思わずホロリときてしまいます。
面白くて、ちょっぴり怖くて、綺麗な世界を見て、ワクワクする冒険をして、切ないお別れをして、また安心出来る場所に戻ってくる。
子供達にとって最高の物語ではないでしょうか。 (miki222さん 30代・ママ 男の子5歳、女の子3歳)
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