春に生まれたヤマメのピンク。ピンクのひれがちょっと自慢。 いつもおなかがぺこぺこ、夢中で虫をおいかけます。 そんなピンクが暮らす豊かな山には、人間も遊びにやってきます。釣りを楽しんだり、山菜を採ったり。 だから時にはヤマメだって釣られてしまいます。 人間のいる地上の世界。 「ヤマメ、ウド、クレソン…そしてヤマメ。今日のメニューはきまりだ」 おじいちゃんと女の子が並べた山菜とヤマメの美味しそうなこと! 二人は丁寧に美味しそうに平らげて、星空に包まれて眠りにつきます。 次の日の朝、また川の中ではピンクたちがおなかをすかせて虫を追いかけて元気に泳いでいくのです。
「ヤマメのピンク」シリーズ完結編となる今作では、またピンクの小さな頃の日常に戻ります。 その輝くばかりの緑の中には、ヤマメがいて、自然があって、そして人間もいます。 その間には爽やかな風が吹いています。 それぞれがいきいきとして、共存している様子を描いた見開きの大画面。 シリーズ3冊を読んできてからこの場面を見ると、なぜだか涙が浮かんできます。
自然が元気でいることの素晴らしさを、親子で理屈抜きで感じてみてください。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
春にうまれたヤマメのピンク。おなかはいつも、ぺこぺこ。でもピンクがすむゆたかな山に、人間もあそびにやってきて…。自然のなかでくりひろげられる「生」のドラマをみずみずしく描いた絵本。自然のかなでるハーモニーに耳をすましてください。〈ヤマメのピンク〉シリーズ完結編。
※2013年、「ヤマメのピンク」シリーズが「国連生物多様性の10 年日本委員会(UNDB-J)」 推薦「子供向け図書」 (愛称:「生物多様性の本箱」〜みんなが生きものとつながる100 冊〜)に選定されました。
ピンクシリーズ第4弾。
これまでの3冊は、ヤマメのピンクがどんどん成長してきましたが、この本はまたピンクの子どもの頃に戻ります。
今回は、ピンクの住む山と、そこを訪れた人間との関わりに重点がおかれています。
人間は、自然界の生きものにとっては残酷なことをしています。
自然界の中でも、もちろん残酷なドラマが日々あるわけです。
自然も人間も、全てが厳しく関係しあって、毎日が過ぎていくのですね。
ピンクの住む山には、山菜があり、四十雀の鳴き声がひびき、サラサラと渓流が流れている。
絵本だから音は聞こえないはずなのに、なんだかこの本を見ていると、自然にあふれる山の中の音が聞こえてくるようです。
山に行きたくなります。
(ゆずきんかんさん 30代・ママ 女の子7歳、女の子2歳)
|