夜空いっぱいの星やメリーゴーランド、大きなかぼちゃやこちらを見つめる牛の群れ・・・。叙情豊かでどこか懐かしい様な雰囲気もある不思議な絵。だけど一度見たら頭に残って離れない「一目ぼれ」をしてしまう絵。そんなバーバラ・ガリソンの絵が表現しているのは「かず」。「かず」の中の「1」。 1と言うのは一番小さな数字だと思っていたら、この絵本を読んでいるうちにとても大きな数字なのだと気がつかされる。知っていたのかもしれないけれど、やっぱり驚いて世界がぐんと広がった気がする。そして1について色々考えれば考えるほど更にぐんぐん広がっていく。さいこうの「1」ってなんだろう? こんな風に考えてしまう瞬間こそが絵本を読んだ時の喜びなんだと思う。 翻訳された谷川俊太郎さんが扉で記している言葉も印象的。「英語は1(ワン)ですむけど、日本語は ひとり、1まい、1ぴき、1ぽん、などとものによってちがうので翻訳が難しかった。でも楽しかった。」
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
「かぞえきれないほど ほしはあるけど そらはただひとつだけ」たくさんのものでも「ひとつ」に数えられる。ひとつはちいさいけれど、大きな不思議なかず。絵に描かれたものを一緒に数えながら楽しめます。
絵が綺麗で読んでみました。
1という数字を面白く解釈して
話は進んでいくのですが
一回目は実はあっさりと読み終わってしまって、
こどもも読んだ私も「あれ?」という印象でした。
しばらくしてこどもが
「ねえ、ねえ色鉛筆18本だけど、ひとつの入れ物」と
急に言ったのです。知らないうちにこの絵本が
言わんとしていることを覚えていたようで
嬉しく思いました。
ふつうは物語があって、面白い絵本が良い絵本となるのでしょうけど
こういう静かに後になって考えさせる絵本というのも
もしかしたらアリなのかもしれません。
いま我が家では「ひとつ」遊びがはやってます。 (しずりんちゃんさん 30代・ママ 男の子2歳)
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