もうすぐクリスマス。ねずみのセレスティーヌは、くまのアーネストおじさんに、「お友だちを呼んでパーティーしようって約束したの覚えてる?」と聞きました。アーネストは「そんなお金ないよ」とつれない返事。それでもセレスティーヌはお金をかけないパーティーを提案して、アーネストを説得。とうとう手作りのクリスマス・パーティー実現にこぎつけます。
『アンジュール』の作者ガブリエル・バンサンの人気シリーズ「くまのアーネストおじさん」の一冊です。セレスティーヌの熱意に負けて、渋っていたアーネストおじさんもパーティー準備に乗り気になってきました。森から木を切り出してツリーを立てて、手描きのカードと手作りの飾り、はさみやのりを総動員させて二人の気持ちはワクワクでいっぱい。アーネストは縫い物が得意だったのですね。サンタクロースまで自前の、すべて手作りのパーティーが始まります。いとこのマックスがちょっぴり意地悪ですが、最後にはすてきな一言を残してくれますよ。 勢いのある描画が登場人物を生き生きと表現し、言葉がなくても絵の中に物語が存在していることは驚きでもあります。ストーリーはすべて会話で進み、大きなコマ割りのイラストが効果的に挿入されます。こんな幸せな気持ちになれるのも、一生懸命な二人がいてくれたからこそですね。 ――(ブラウンあすか)
クリスマスが近づいて、パーティーを楽しみにするセレスティーヌ。でも、アーネストにはお金がありません。そこでふたりは、ごちそうもプレゼント も、全部手づくりすることに……。素朴であたたかいクリスマスが描かれています。
クリスマスパーティを開いて欲しいとねだるセレスティーヌ。
お金がないから無理だよと乗り気ではないアーネスト。
セレスティーヌに押し切られて始めたクリスマスパーティの準備がなんとも微笑ましく感じます。
お金はなくても、物はなくても、自分たちでできるクリスマスを楽しみたい。
セレスティーヌのこの心がとても純粋で、一途で、一生懸命で、愛らしいのです。
ひねくれもののマックスが、パーティの中でみんなになじんでいく様、最後にはセレスティーヌと仲直りするところ、絵本の中でマックスのいる場所を眺めていると、言葉にはなくてもクリスマスの楽しさが伝わってきました。
クリスマスはみんなで楽しまなければね。
すっかり満足して、ぐっすり眠ってしまったセレスティーヌにアーネストおじさんのプレゼント。
とても心暖かな絵本です。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子14歳)
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