みんながまんまるの、まんまる家族のおはなし。いろんな色でいろんな大きさだけど、形はみんなまんまるなのです。あるとき、まんまる家族に生まれてきた赤ちゃんは、まんまるでなく四角でした。四角の「かっくん」はみんなにかわいがられましたが、他の子供達と一緒に遊ぼうとしても、体が四角くてうまくいかず、仲間はずれになってしまいます。 ある日、子供達は森に迷い込んでしまい、まわりが真っ暗になってしまいます。ところがそのときかっくんの体が光り、みんなのピンチを救います。「なんだよ、おまえすごいな!」
皆と違う身体的特徴をもつ子も、その子の個性を認めて仲良くやろう、というテーマですが、シンプルで美しいデザインの絵とリズムのよい文章で、とても親しみやすい作品になっています。 教訓的な苦味を美しいイラストが上手につつみこんでいて、素直に楽しめます。 「いろいろ いるよ。まんまる、ふとっちょ、しかくに おちび。みんな みんな ちがうけど、みんなで みんなで あそぼうよ」という最後の一文に、この作品のメッセージが凝縮されています。
内容紹介 ふだんは忘れてしまっている「大切なこと」に気づかせてくれる絵本。乙武洋匡、はじめての「翻訳」! 今まで、僕が『五体不満足』やメディアを通じて伝えてきたこと。そのすべてのムダな部分を省いて、本当に必要な要素だけを抽出してできたのが、この物語。僕は、そう感じました。
著者紹介 ■クリスチャン・メルベイユ(くりすちゃん・めるべいゆ) ■乙武洋匡(おとたけひろただ) 【クリスチャン・メルベイユ】 1949年、ベルギー生まれ。子供向けの音楽、演劇、出版などで幅広く活躍するマルチアーティスト。音楽では、これまでに10枚以上のアルバムを発表し、94年に「Chut,Faut rien dire...」でゴールド・レコード賞を、またその活動への評価としてベルギー芸術協会(SABAM)の児童賞を受賞する。年間に約150回、演劇の公演をおこない、フランス語圏の子どもたちとその親に高い支持を得ている。また、子ども向けの雑誌・絵本でも数多く活躍中。テレビ・ラジオ出演も多数。 【乙武洋匡】 1976年4月6日、東京都生まれ。「スポーツのすばらしさを伝えたい」との思いからはじめた「Number」(文藝春秋)の連載、スポーツキャスターとしての「スクープ21」(テレビ朝日系)出演などが、現在の活動の中心。絵本『プレゼント』の出版(中央法規出版)や、「小学一年生」(小学館)で連載など、子どもたちにメッセージを発信することにも力を入れている。著書に、自身の生い立ちをユーモラスに綴った『五体不満足』(講談社)、「ニュースの森」(TBS系)におけるキャスターとしての経験をまとめた『乙武レポート』(講談社)がある。 画家紹介 ■ジョス・ゴフィン(じょす・ごふぃん) 1938年、ベルギー生まれ。ブリュッセルでグラフィックデザインを学んだあと、パリの出版社、広告代理店でアートディレクターとして働く。その後、62年にブリュッセルに戻り、イラストレーター、デザイナーとして独立。その活動は雑誌の表紙、レコードのジャケット、CM、絵本など多岐にわたり、現在ではヨーロッパでも指折りのグラフィック・クリエイターとして認められている。その国際的な活動によって、国際デザイナー・アートディレクター協会から数々の賞を受けている。
乙武 洋匡さんの訳ということで、大人には、伝えたいことが、充分に伝わってきます。
そういう、先入観を持たない、4歳の我が子も、とても気に入ったようで、何度も読んで欲しいといっています。
実は、クラスにひとり、発達の遅い子がいます。
子供たちも、その子のことを、特別視しはじめています。
言葉を、うまくしゃべれなかったり、先生の言うことをうまく理解できなかったりする”現実”を目の当たりにして、どう受け入れていくか、子供たちなりに模索しているようです。
子供は、この本を読んで、そのことと本を関連つけることはしていません。
でも、最後にみんなが”そのままのかっくん”を受け入れて、仲良くなった場面を見て、”ほっとする気持ち”を、少しだけ味わえたことで、充分だと思いました。
4歳の子にも、いじわるされたときの悲しい気持ちは、もう解っているので、読んであげてよかったと思いました。 (はらぺこむしむしさん 30代・ママ 男の子4歳)
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